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2012年6月7日

青山社中メールマガジンvol.19 「判断」と「決断」について想う

青山社中メールマガジンvol.19 「判断」と「決断」について想う

仕事柄、国会議員の知り合いが多いが、今回の消費増税関連法案に対するスタンスについて本音で議論すると、 表面的に見せている強気の姿勢とは裏腹に、何とも苦しげな解答が多い。

今回の法案に賛成している人からは、「社会保障費が急増する中、今回の増税は焼け石に水なのはよくわかっている。 本来は、命がけで取り組むとしたら、増税よりも歳出の適正化だ。増税するにしても、このタイミングでやるべきなのか、 という疑問ももちろんある。」という話を聞くことが多い。

逆に反対している人からも、「『増税の前にやるべきことがある』と言い続けてからあっという間に時が経ち、 気が付けば財政は不可逆的に悪化してしまっている。ここまで争点になった後で消費増税ができなければ 国際的な日本(国債)売りも起きかねず心配だ。政治は結果責任だ。」という話を聞く。

TPP加盟や脱原発の議論でも感じることだが、とことん議論を尽くすと、実は、マスメディアが作りだす (或いは為政者たちが意図的にメディアを使って作りだす)二項対立も、その境界線が割と曖昧である。 しかし、現実の言動は、二択、三択から選ばざるを得ないことが多い。これは何も政治だけではなく、 ビジネス界における日々の業務上での選択や、「どの服を買うのか」「誰と付き合うのか」「どの会社に入るのか」といった 日常生活や人生全体にまで当てはまる普遍の真理であろう。どんなに迷っても、実際に進む道を現実に選ばねばならない。

一体、私たちは、実は二者択一的な選択をすることが難しい諸課題に対し、どのようにして明確な結論を出すべきなのだろうか。 大切なことは、「決断」の前に徹底した合理的「判断」を加えること、 そして磨き抜かれた「直感」という思考の最終軸を大切にすることではないだろうか。

自らの領土の目と鼻の先にあるネーデルラントをスペインが支配しつつある中、 16世紀末当時のイギリスの閣議ではエリザベス女王臨席の下、「イギリス国内のカトリック教徒はスペインに協力するか」 「スペインの対英攻撃の手段は」「オランダ人支援やフランスとの協力の可能性」など23項目にわたる情勢分析の文書が検討されたそうだ。 今回の増税法案を提出する際の閣議でどのような議論が行われたのか承知していないが、まずは、あらゆる角度から分析した「判断」を行うことが重要だ。

しかし、通例「判断」は相対的なものであり、A案にはA案のメリット、B案にはB案のメリットがある。 最終的な「決断」とう名の選択をするには「直感」に頼るしかない。天才棋士の羽生善治氏は、自身は直感を非常に重視しており、 経験により直感力は向上するものであると言う。仕事が来るのを待っていたり、他人の決断を待っていたりするだけの人生、 あるいは自分で創りだすのではなく、他人の提案に批評を加えるだけの人生に、直感力の向上はなく、リスクを真に引き受ける決断もできないであろう。 “have the courage to follow your heart and intuition”と喝破したアップル創業者のスティーブ・ジョブズに倣い、 自分で動いて「判断」を重ね、「決断」のための「直感」を磨くしかない。

野田総理は、今回大きな決断をし、政局は増税を巡って大騒ぎだが、これはまだ序の口だと思う。 来たる選挙などを経て、今後、既存政党vs新規政党という大きな対立がやってくるだろう。多くの政策課題について、 徹底的に議論すれば、両政党の政治家のスタンスに大きな違いはないケースが大半であろうが、どちらの政党に与するかということも含め、 言動には大きな違いが出る。一歩間違うと、たとえば、「古い体質を変える!」と叫んで当選してきた議員が一夜にして、 主張する政策とは関係なく、「既存政党」の「古い体質の議員」と叩かれかねない。どの船に乗って何をするのか。 人生の修羅場をくぐり抜けてきた政治家たちの今後の大きな「決断」に期待したい。

と、今月号も何とか冒頭言を書き上げたところでふと思う。今日の昼ごはんは何にするか。コンビニ弁当か、 さくっと立ち食いそばでも食べてくるか、それとも出前にするか。そういえば、昨日は何を食べたっけ。 今晩は飲み会でカロリー高めだろうしな、、、、などと考えていると、判断段階で思考が停止し、直感にまで至らない。 私はまだまだ修行が足りないようだ。

筆頭代表CEO
朝比奈 一郎

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【1】 青山社中フォーラム開催報告
   6月24日 Vol.8  安倍晋三元総理 講演会
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リニューアル第1弾として、6月24日(日)に開催された青山社中フォー ラムVol.8は、元内閣総理大臣の安倍晋三衆議院議員にお越しいただきました。
外交や農業問題、日本の在り方など、エピソードを交えながら、多岐にわたるお話をしていただきました。会場も大変熱気に包まれ、様々な質問が飛び交いました。
参加者からは「前向きなお話を聞き、元気が出た」、「政治の世界を身近に感じることができた」や「守るべきものを守るために改革が必要という意味がよくわかった」など、大変好評な感想をいただきました。
事前に定員を上回るお申し込みをいただき、当日は講演会・懇親会ともにたくさんの方にご参加いただきました。政局が大詰めのところ、お越しいただきました安倍先生、お休みのところご参加いただきました方々に、この場を借りて、あらためて深く御礼申し上げます。本当にありがとうございました。 現在、企画中の青山社中フォーラムリニューアル第2弾も、是非ご期待ください。

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【2】青山社中がGlobal Emerging Voices (GEV) program 2012
   アソシエイトパートナーに
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青山社中がオーストラリア国立大学、ジャーマン・マーシャル・ファンド(GMF)、その他複数のヨーロッパのシンクタンクが共同で主催する欧州-アジア太平洋対話(Global Emerging Voices Program)のAssociate Partnerとして認定されることになりました。 弊社CFO桑島が日本代表として、現在本プログラムに参加中です。 6月15日から約2週間世界各国から集まった若手研究者と共に、ベルリン・ブリュッセル・トリノで中国を題材に議論しています。 http://twai.it/article/136/global-emerging-voices-%28gev…%29-program-2012 既にドイツ連邦銀行(ブンデスバンク)、欧州議会訪問や複数のEU高官との対話も終えています。桑島が参加するプログラムの状況はまた青山社中オフィシャルブログにて公開しています。 (なお、桑島個人でのFacebookでも、訪問都市の写真なども含め公開しておりますので、あわせてご覧ください)

青山社中オフィシャルブログ https://aoyamashachu.com/blog/ (桑島個人のFacebook www.facebook.com/hiroaki.kuwajima)

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【3】青山社中が支援した意見書が全会一致で可決
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「インターネットを利用した選挙運動を解禁する公職選挙法改正に関する意見書」が、6月22日、船橋市議会で全会一致で可決されました。 青山社中の政策支援事業の一環で、提出者の高橋宏市議の企画から原案作成までを、弊社共同代表の遠藤がサポートしました。 意見書は、インターネットを選挙運動に幅広く利用できるようにすること、不正行為への対策を適切に講じることを政府に求める内容です。 同市議会では、意見書が全会一致で可決されるのは珍しく、6月議会でもこの1件のみとなっています。 (意見書本文はこちら) http://www.city.funabashi.chiba.jp/assembly/001/24/002/p021845.html#1

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【4】 青山社中リーダー塾より
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青山社中リーダー塾も2期目がスタートし、1ヶ月が経ちました。
講義はリーダーシップ基礎理論から始まり、今月は世界のリーダーの伝記編に 入りました。毎回、多様な意見が飛び交う、白熱した講義になっています。
また、実践編に取り組んでいる1期生で、政策マーケティングに強い関心を 持つ塾生がジョージワシントン大学政治経営大学院(GSPMhttp://gspm.org/) に合格しました!本年より渡航予定です。

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【5】 青山社中のメディア掲載・講演等のお知らせ
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<7月の予定>
【講演】
7月5日  ビジネス・ブレークスルー 20時~21時放送予定(朝比奈)
7月19日 東京JC講演会 株式会社ユーグレナ 出雲社長との対談(朝比奈)

 
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