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2014年12月29日

青山社中メールマガジンvol.49 一人でいても怖くないと思わせてくれる何か ~与党圧勝に想う~

青山社中メールマガジンvol.49 一人でいても怖くないと思わせてくれる何か ~与党圧勝に想う~

「ひとりでいるのがこわくなるようなたくさんの友達よりも、
ひとりでいてもこわくないと思わせてくれる何かと出会うことのほうが、
うんと大事な気が、今になってするんだよね。」 ~ 『対岸の彼女』 角田光代著より

当初は「大義なき解散」などと言われて政権への疑問も色々と投げかけられてはいたが、やはり事前の予想通りと言うべきか、先日の衆議院議員総選挙では、与党が圧勝した。自民・公明両党で定数の2/3を超える326議席を獲得し、これで安倍政権もしばらくは安泰だ、という声が大きい。

だが、果たしてそうだろうか。

あらかじめ断っておくが、現役官僚時代から、政権がほぼ1年毎にコロコロと変わる様を内側から見てきた身としては、例えば外交や行政のコスト面(大臣等が変わるたびに方針が変わったり、官僚がレクチャーを1からやり直したりすることは膨大なコスト)から考えても、安倍政権が長続きすることが相対的に国益に資することを確信しているし、もちろん、そう願ってもいる。

ただ、冷静に考えれば、来年の主な政治マターを考えてみるだけでも、「原発の再稼働」、「集団的自衛権行使のための法改正作業」、「特定秘密保護法の施行に伴う秘密の指定」など、国論を二分しかねない話、即ち、見方によっては「不人気施策」の実施が否応なく目につく。政権への支持が盤石であり続けるとは思えない。

一方、政権の支持率アップにつながるような話はあまり期待できそうもない。例えば、北朝鮮による拉致問題については、報道ベースでは、先方の調査が何らかの理由で難航している様子が見てとれ、早期の解決は望み薄と思われる。TPPも米国内の調整がなかなか収まりそうもなく、先行きがかなり不透明だ。

また、国民の最大の関心事とも言える経済政策一般についても、金融・財政政策(いわゆるアベノミクスの一本目の矢と二本目の矢)は、消費増税も延期される中、文字通り矢が尽きつつある感じがあり、地方創生の実現(ローカルアベノミクス)にしても、成長戦略(三本目の矢)の発現にしても、そもそもそう簡単ではないし、結果が出るのはいずれにしても少し先になる。頼みの綱は好調な米国経済に引っ張られることくらいであろうか。

このように普通に考えれば、現在が、安倍政権の高支持率の中間的な絶頂期であり、これからじわじわと下がらざるを得ないと見るのが一般的ではなかろうか。

この点、安倍総理の派閥の先輩にもあたる小泉純一郎氏が5年の長きにわたって政権を維持したことが参考になるが、そうできたのは、彼の信念でもあり、国民の理解も得やすかった「郵政の民営化」を巡るドラマを、政権の最後の1年のところに持ってきたことが大きかったと思う。

政権発足から2年が経過したが、安倍総理は、政権の後半にどんなドラマを用意するのか。総理の持論でもある憲法改正を正面からぶつけてくるのか。憲法改正は、「郵政の民営化」のように国民がワーッと支持するかどうかは微妙な問題だが、郵政解散の際も、最初はまさか国民的関心を呼ぶ問題だとは思われておらず、当時の民主党(奇しくも当時の代表は、次期代表が取り沙汰されている岡田克也氏)は、郵政を巡る自民党内の分裂を見て、ほくそ笑んでいたとも言われる。与野党が比較的拮抗する中で、与党が割れるのだから、まさかあそこまで大敗するとは当初思わなかったとしても不思議はない。

話を安倍政権に戻すと、いずれにせよ、大きな工夫なしには、政権安泰とは行かないのではないか。なお、私が安倍政権の先行きに懸念を有しているのは、こうした来年の主要政策の動向や起死回生のドラマ設定の困難さだけから来る結論ではない。最大の懸念点は、党内の結束だ。

今回の与党の大勝の最大の要因は、野党が対抗軸足りえないという敵失の面が大きいことは各種世論調査からも明らかである。一部では、「今のうち解散」などという命名もされていたが、「民主党時代には戻りたくない」という気持ちがまだそれなりに残っている多くの国民が、消去法的に自民党を選んだに過ぎない。別の角度から見れば、自民党員は、考え方や理念によって集団を形成しているというよりは、「自民党ブランドにしがみついていれば当面は落ちない」というフワフワした気持ちで固まっていただけだと言えよう。

そこには、安全保障に関する考え方や、中国・韓国などに対する外交的スタンスや、農業改革や雇用改革を巡る価値観における共通理解は見出しにくい。例えば、外交・安保政策一つ取ってみても、岸田派や二階派的なスタンスと政権中枢の考え方より、民主党の保守派と政権中枢の考え方の方がよほど近いとも言える。

ここで冒頭の角田光代氏の小説の一節を見ていただきたい。郵政解散のあった2005年の直木賞受賞作である『対岸の彼女』からの引用であるが、今の自民党はまさに「ひとりでいることが怖くなるようなたくさんの友達」の集まりなのではなかろうか。小泉チルドレンたちの四分五烈やその後の末路はここに書くまでもないが、理念なき集まりこそ、壊れるのも早いのは世の常である。

政権の支持率が下がってきてピンチとなった時、果たして党内が一枚岩でいられるか。世代間や派閥間での考え方の違いが表面化しないか。「自分こそがトップにふさわしい」と政権の足を引っ張る動きが活発にならないか。

来年(2015年)はひつじ年だが、歴戦の勇でもあるアレクサンダー大王やナポレオンは、かつてこう言ったとされる。「私は、一頭の羊に率いられた百頭の獅子の群れを恐れないが、一頭の獅子に率いられた百頭の羊の群れを恐れる」。自民党がどのような集団なのか、安倍総理は獅子になりきれるのか、早晩、その結果が出ることになろう。

筆頭代表CEO
朝比奈 一郎

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<1> 変革に向けた行動の第一歩を踏み出しませんか

「青山社中リーダー塾」第5期生(2015年度)募集を開始しました。なお、無料説明会(模擬授業・現役塾生との交流会)を2015年2月11日(水・祝)より全4回開催する予定です。

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国や社会のことを考え、変革に向けた行動を起こす人材を育成する---「青山社中リーダー塾」第5期生(2015年度)募集を開始しました。(入塾のお申込みはこちらからhttps://aoyamashachu.sakura.ne.jp/form/leader4.html)なお、無料説明会(模擬授業・現役塾生との交流会)を2015年2月11日(水・祝)より全4回開催する予定です。

◆無料説明会の開催日時(お申込みは下記リンクより御願い致します。)

2月 11日(水・祝)14:00ー15:30 概要説明・模擬授業・質疑応答 http://peatix.com/event/65014/
3月 12日(木)  19:30ー21:00 概要説明・模擬授業・質疑応答 http://peatix.com/event/66366/
4月 4日(土)   14:00ー15:30 概要説明・現役塾生交流会・質疑応答 http://peatix.com/event/66367/
4月 11日(土)  14:00ー15:30 概要説明・現役塾生交流会・質疑応答 http://peatix.com/event/66368/

◆会場  青山社中株式会社 会議室
東京都港区南青山2-19-3 サザンキャッスルビル2F(最寄駅:銀座線外苑前駅)

◆青山社中リーダー塾第5期生・開催要項

1.目的
 「国や社会のことを考え、変革に向けた行動を起こすことができる人材を育成する」
 - 日本が停滞する中、独自の視点で様々な挑戦をする人材
 - グローバル化する社会の中、日本の立ち位置をしっかりと意識できる人材

2.期間
2015年5月~2016年2月(座学編)、2016年4月~2020年3月(実践編)

3.場所
青山社中株式会社 会議室  東京都港区南青山2-19-3 サザンキャッスルビル2F

4.受講料
100万円(5年分)(初年度50万円×2回払い)(※税別)
※内訳…入塾金:20万円、座学編:60万円、実践編(2年目以降もゲスト講師による年3回の合同クラス聴講可):20万円(5万円×4年)
※学生には奨学金制度がございます。詳しくは無料説明会等でご確認ください。

5.対象
原則として35歳以下の日本在住者(あくまで原則であり、実際には35歳以上の方の参加実績あり)

6.人数
2クラス(火曜クラス、土曜クラス各10名程度)

7.特色
 「魂に火をつける」
 1.若手が若手を教える
自ら活動中の塾頭が、一人一人の個性を引き出す教育(educateの原義)
 2. 師弟が一体となって経験を共有・ディスカッション
松下村塾の「相労役」を意識。車座となった議論
 3. 基本的に1人による教育(筆頭代表の朝比奈一郎)
  松下村塾の吉田松陰、古代ローマ人の家庭教師などにならい、1人が責任をもって教える教育(魂が伝わる教育)を意識
 4. 網羅性よりも伝達力。合同クラス・青山社中フォーラムでは各界からゲスト
 少人数制(10名以下)による横のつながりも重視
 5. 塾生同士の自発的なディスカッションを促し、同志意識を醸成
  受信だけでなく発信を重視した教育議論を重視。塾生ページ等を活用した論文の発表等を後押し

8.達成目標
以下の3つの能力をつけること
1.時代の流れや世界の動きを自分なりに見定める能力
 2.自分の人生のあり方を見定める能力
 3.物事を変革するべく挑戦する能力

9.塾生特典
塾生期間(5年間)中の青山社中フォーラム参加無料  (過去のゲスト(一部、五十音順) : 安倍晋三氏、岡田克也氏、國定勇人三条市長、黒岩祐治神奈川県知事、 世耕弘成官房副長官、田中均元外務審議官、樋渡啓裕武雄市長、松本大マネックスグループCEOなど)

10.入塾までの流れ(予定。変更となる場合があります。)
(1)説明会    全4回開催(ご希望の日時にてご参加ください)
(2)書類締切り  4月19日(提出書類:願書・1000字程度の志望動機のエッセイなど を予定)
(3)書類選考   4月20日~4月22日
(4)選抜面接   4月23日~4月26日
(5)選考結果連絡 5月1日
(6)振込み期限  5月11日
(7)初回講義   火曜クラス5月19日(火)、土曜クラス 5月23日(土)

※青山社中リーダー塾第5期生募集パンフレットは、こちらよりダウンロードが可能です。( https://aoyamashachu.com/contact_pdf/ )また、ご希望の方は、郵送またはデータ送付いたします。 office@aoyamashachu.com までお申し付けください。

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<2> 青山社中リーダー塾通信

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*青山社中リーダー塾3期生   :池西哲郎

現在、私は英国の芸術系大学院のRCA(ロイヤル・カレッジ・オブ・アート)にてサービスデザインを学んでいます。「サービスデザイン」とはおそらくあまり聞き慣れない言葉かもしれないですが、書いて字のごとく、「サービス」を、デザイン思考・プロトタイピング・テクノロジーの活用・エスノグラフィー(文化人類学)などの領域をフル活用し、より良く「デザイン」することを学ぶ実践的な学問です。ここでいうサービスとは一般企業だけのものではなく「公」のサービスをも含んでいます。ここイギリスでは、政府やイギリスを拠点とする国際機関が、いわゆる「デザイン思考」や「人間中心のデザインの発想」「サービスデザイン」などクリエイティブな発想を持ったデザインファームを公共のサービスの改善にかなり広く採用しており、今後ますます活性化されていくと言われています。一方日本ではまだまだこれから、というのが現状です。

さて、こちらに来てみてですが、率直に、とても過ごしやすいというのが感想です。というのも、これは主観的であるとは思いますが、こちらでは「異端」であることを許容する奥深さを感じるからです。会社を辞め再度学ぶこと、職種を変えること、家族との時間を優先することはこちらでは当たり前です。同級生には、8年間の主婦期間を経て再度学びたいと息巻いて入学してきた40歳のデザイナーもいます。また授業中、編み物をしている元ジャーナリストのインテリアデザイナーの女性もいます(もちろんこれは芸術系大学院だからこそ見られる光景かもしれないですが(笑)。)でも許容される。普通の人よりもちょっと「変わった人」の方が面白いよね、という感じなのです。人に迷惑をかけなければ自由に生きていいという雰囲気がある気がします。

青山社中での学びの中で非常に印象に残っているのは、坂本龍馬と渋沢栄一の自伝です。彼らは常に視野を広く持っていた。そして当時であればありえないであろう海外にも目を向けていたことも印象的です。そして何より自由闊達に自分の信じる道を行く、という姿勢は自身が留学を決める一つの指針にもなりました。また、塾頭のよく仰る、M&A(みんなでアクション)の思想はこちらに来てからも非常に合点がいくものがあり、現在も私主導でクラスメイトそれぞれのクリエイティブなスキルを共有するようなラボを立ち上げようとしており、その活動にも活きています。2年後、満足がいく留学になるように、これからも頑張っていこうと思います!

*NPO法人地域から国を変える会より ◎青山社中リーダー塾生が中心となり立ち上げた団体です。
2014年の地域から国を変える会は、おかげさまで4つの地域で取組みを行うことになり、その他の活動候補地もいくつか挙がっています。地方創生と叫ばれる以前より、地域活性の重要性や地域が自立することの必要性を訴えていた我々としては、世間的に地域がクローズアップされた象徴的な一年でした。地方創生が一過性のブームとならないことを祈りつつ、今後も地域自身が立ち上がろうとしている動きを、私たちがロボットスーツのような役割となって支援します。今回は、以下のとおり4地域の現状報告をさせていただき、今年の締めとさせていただきます。今年もありがとうございました。

【沼田チーム】12月14日には、現地の観光資源・自然資源を視察、基幹産業である木材加工業などの会社を訪問・ヒアリングし、創業環境の充実に向けた打ち手を練っています。
【那須塩原チーム】11月30日に今年最後のチーム那須(我々と住民有志で立ち上げた政策提言集団)ワークショップが終了しました。過去3回のアイデアをベースに市長等への政策提言を行っています。
【川崎チーム】中小企業の活性化を目的とした条例づくりは、たたき台が完成し、喧々諤々の議論が続いています。条例は歴史に残るものですので、魂を入れるべく、関係者との協議を重ねているところです。
【三条チーム】今年のまんなかプロジェクト(中心市街地の賑わいづくり事業)は無事終了しました。来年は、こり取組みのサポーターとして手を挙げていただいた子育て世代の方の力をお借りして、コミュニティ形成を行っていく予定です。
<是非、地域から国を変える会Facebookをご覧ください https://www.facebook.com/chiikikara.org

*一般社団法人 「日本と世界をつなぐ会」◎青山社中リーダー塾生が中心となり立ち上げた団体です。
本年4月に正式に設立した弊会も御陰様で最初の事業年度を終えようとしております。本年 の主な活動としましては、新潟県三条市が誇るものづくり技術の海外販路開拓を目的としたベトナムでの調査に取り組みました。新興国という文化も宗教も商習慣も異なる マーケットへどうPRし、市場を作り、販路を見出していくかをテーマに来年も さらなる深堀を目指していきたいと考えております。
弊会では、この様な日本の地域に脈々と受け継がれる伝統工芸やものづくり等の魅力を海外へ発信し、更に後世へ受け継いでいけるような活動に取り組んでいきたいと思っております。是非いろいろな方と多面的に議論しながら進めていきたいと考えております。弊会の活動にご興味のある方は、事務局・山田までご連絡を下さい。(連絡先:yamada@aoyamashachu.com)(FB:https://www.facebook.com/pages/一般社団法人-日本と世界をつなぐ会/800513439960846 )

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<5> 青山社中のメディア掲載・講演等のお知らせ

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<12月の実績>

【メディア】

12月10日より東洋経済オンラインにて「日本にはロビイングが足りない!」(http://toyokeizai.net/articles/-/55352 )連載開始(桑島)

12月24日東洋経済オンラインにて、「大ピンチから救った、ある社員の物語」( http://toyokeizai.net/articles/-/55459 )掲載記事(桑島)

12月オルタナSでインタビュー記事掲載(朝比奈)

【講演】

12月8日(月)衆議院議員選挙公開討論会(主催:東京JC)にてコーディネータ ( http://live.nicovideo.jp/watch/lv201174936 )(朝比奈)

<1月の予定>

【メディア】
1月5日より総合経済紙「フジサンケイビジネスアイ」コラムにて連載スタート(朝比奈)
1月発売の週刊新潮にてコメント掲載予定 (朝比奈)

【講演】
1月25日(日)日本青年会議所 米穀部会にて、「リーダーシップ論から考える米穀業界の明日」~厳しい時代を生き抜くための米穀部会の役割と可能性~について講演(朝比奈)

 
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