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2018年4月30日

vol.89 我慢するしかない安倍政権  ~南北首脳会談と我が家の子育てに思う~  

vol.89 我慢するしかない安倍政権   ~南北首脳会談と我が家の子育てに思う~  

韓国の文在寅大統領と北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長による南北首脳会談、及び関連する国内報道や日本人の反応を見て、まず思い出したのは我が家の子育てのことであった、と書いたら訝(いぶか)しく思う読者が多いかもしれない。
 
子育てにはよく、①厳しくしつける父親役と、②優しく包み込む母親役、の双方が必要であると言われる。両親共に厳しければ、子供はそれに耐えかねてつぶれてしまうし、共に優しいと甘ったれた我が儘(わがまま)息子/娘になってしまう。①も②も子供を愛すればこその「厳しさ」「優しさ」だが、表現は真逆である。父母が連携し、バランスを保ってこそ、健全に子供が育つ。
 
北朝鮮という土地・人民はまだしも、金正恩を心から愛しているかは微妙だが、東アジア情勢的には、ここしばらく、日米韓が、北朝鮮に対して足並みを揃えて厳しい父親役を演じてきた。本来、母親役は中国であるが、パイプ役であった伯父の張成沢を残虐な方法(※諸説あり)で処刑するなど、金正恩はその愛情を疑い、就任以来、基本的に中国に母親役を演じさせなかった。ロシアがその間隙を縫って母親役を買って出たが、これまでの距離感から言って、せいぜい「親戚の伯母さん」役が限界であったと言えよう。
 
今回の首脳会談の実現や、「完全なる非核化」との文言を含む板門店宣言(注)につながった最大の要因は、私見では、この「父親的厳しさ」である。即ち、経済制裁や迫りくる米の軍事攻撃の脅威に耐えかねた金正恩が音を上げたと見るのが妥当であろう。であれば、その立役者は、包囲網を主導した日本の安倍政権であり、金正恩に対する宥和的姿勢もたびたび見せていたティラーソン国務長官を、他の理由もあったにせよスパッと切るなどして、父親的態度を崩さず、積極的に金正恩を「叱り」続けた米国トランプ大統領だ。
(注)いわゆるCVID(complete, verifiable and irreversible dismantlement:完全で、検証可能かつ不可逆的放棄)的なものに今後つながるかは未知数。
 
ところが、それを正当に論評する日本の既存メディアはほぼ皆無に見受けられ、韓国文政権の「母親的優しさ」の成果ばかりが強調されている。確かに、北風が吹きすさぶ中、笑顔を絶やさない文在寅の太陽の如き微笑みが、今回の成果の「トリガー(引き鉄)」になったのは確かであろう。追いつめられて困った金正恩が、平昌五輪などの機会を通じて暖かく声をかけ続けてくれた文政権を母親のように感じて、その優しさにすがった(≒利用した)のは間違いない。
 
ただ、せめて我が国のメディアくらいは、自国政府の挙げた成果について、もう少し積極的な評価をしても良いのではないか。そして、今後とも、CVID的な意味での非核化に向け、北朝鮮がきちんと「育つ」ように、父親的厳しさを維持することの重要性を説いても良いのではないか。伯父を機関銃で蜂の巣にして殺し(※諸説あり)、外国にいる兄を暗殺した金正恩が、握手をしながら南北国境を越えるのを見て、あたかも「実はいい人」であるかのように言うお気楽な「インテリ」たちが多くて驚く。
 
私がここで書いている程度のことは普通に取材をしている記者であれば既に理解しているはずで、それを分かりやすく伝えることこそがメディア(媒介)の本来の義務であろう。森友やら加計やらを取り上げて、鬼の首を取ったかのように政権を攻撃するだけではなく。
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しかしながら、安倍政権に同時に言いたいのは、「色々と思うところはあるだろうが、グッと我慢してもらいたい」ということである。まさに北朝鮮情勢を巡る日本の役割は、健全な家庭教育における父親役と同じなのだから。
 
ここで恐縮ながら、本稿の冒頭に言及した我が家の子育て状況を、恥を忍んで書かせて頂く。何を隠そう我が家の3人の子供に対して、日頃、父親的厳しさでしつけをしているのは私ではなく、母である我が妻である。たまにしか自宅にいない私(父)は、むしろ、「おお、可愛い、可愛い」と子供を猫かわいがりし、恥ずかしながら、基本的に母親役をやらせて頂いている。たまに、耐えかねた妻に促されて「きちんとお母さんの言うことを聞け」と「指導」することもあるが、ごく稀でしかない。お陰様で、本来とは立場が逆ではあるが、父親的存在、母親的存在の良いバランスを保って我が家の子育てが進行している。
 
私の妻はとても寛容な精神の持ち主で、この「父母逆転状況」を甘受してくれている(と勝手に理解している・・・)が、普通だったら面白く思うはずがない。我が家の如き「父母逆転状況」の家庭は少なくないと仄聞しているが、世の妻たちが、「日頃、子どもの成長を真剣に考えて、叱りながらしつけている私より、ただ可愛がるだけの夫(や祖父母)になつくのは我慢ならない」と思うのは当然である。多くの家庭の「父親的妻」たちが耐えることで、日本の諸家庭は何とか保たれている。
 
読者諸賢は、既に、我が家の子育てにおける「父親的妻」が、北朝鮮情勢を巡る日本の安倍政権であることに気づいておられるであろう。文大統領が、我が家における私のごとく「美味しい」ところを持って行っていようとも、父親役の報われなさに天を仰ごうとも、朝鮮半島の非核化を通じた国際平和のため、ここはグッと我慢してもらうしかない。
 
最後に、読者諸賢に問いかけをして本稿を締めたいと思う。何故、文政権は、左派系で北朝鮮とも近いという本来の性質はあるものの、急に北朝鮮に対して母親役になる路線を強化したのか。そこに民主主義の脆弱性や怖さが潜んではいないか。
 
本来は、この問いに対し、安倍政権やトランプ政権が置かれている日米の社会の分極状況も絡めて、民主主義の絶望と、2つの映画(ウィンストン・チャーチル、グレーテスト・ショーマン)から得られた民主主義の希望についても書こうと思ったのだが、紙幅は尽き、そして、せっかくの祝日に家を空けて近くの喫茶店で長々とこのエッセイを書いている場合ではないと、妻の顔が浮かぶ。
 
母の日が近いこともあり、今日くらいは、子供たちに「厳しく宿題をするように」と、父として毅然と迫ろうとも思うが、きっと、一緒にテレビを見て終わるような気がしている。
 
代表・CEO
朝比奈 一郎

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<1> 朝比奈が新潟県妙高市の「地域活性化アドバイザ
    ー」に就任
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朝比奈が4月より妙高市の地域活性化アドバイザーに就任しました。

妙高市のH32年度~37年度の5年間を計画期間とした「第3次妙高市総合計画」の策定や、重点的に取り組むプロジェクト立ち上げの支援を行います。

妙高市は8つのスキーリゾート、温泉郷、農産物など、自然の恵みを活かした豊富な観光資源を保有しており、道の駅が売上全国1位になったこともあるなど、人口が約3万人ながらも、観光産業を中心に大変可能性の見込まれる地方都市です。

年間10日ほど妙高市を訪問し、中心市街地の活性化、インバウンド富裕層の取り込み、RMO(行政機能を持ち地域をマネジメントする民間法人)の設立等を主なテーマとして調査・方針策定を進めていきます。

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<2> 青山社中 広報担当を募集中
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このたび弊社では広報業務を進めてくれる人材を募集することになりました。

弊社は「日本を活性化する」ことをミッションに掲げ、リーダーを育成する塾の運営、政党や政治家向けの政策支援サービス、また、各地に入り込んだ地域活性や地域の企業等のグローバル展開支援もしており、見る角度によって風景の違う会社になっています。

もっともっと弊社の知名度を高めつつ、弊社のサービスを展開して日本を活性化しなければならないとの想いから、このたび専属で広報業務を担当してくれる人を募集することにした次第です。

普通の会社以上に見せ方が難しい企業だと自覚はしていますが、やる気と能力に満ちていて結果を出してくれる人、私たちを助けてくれる方を募集しています。一緒に弊社を通じて日本を活性化してくれる新たな仲間とお会いできること、楽しみにしています。

【採用情報はこちら】
https://aoyamashachu.com/about/about-saiyo

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<3> ぬまた起業塾 塾生募集中
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朝比奈が塾頭を務める「ぬまた起業塾」(7月開講)では、説明会参加者・入塾希望者を募集しています。群馬県沼田市での起業家養成が目的ですが、お住まいの場所に関わらず、起業や事業承継、第二次創業など積極的に考えている方を対象にしております。

起業塾は、一方的に講師が授業を行うことが一般的であるところ、ぬまた起業塾では、座学にとどまらず①ビジネスプラン作成、②講話、③専門講座を重視しています。

・ビジネスプラン作成では、実践で使えることを最重要視し、講師による丁寧な指導により完成させます。
・講話では、実際の経営者や会長(沼田市長)による熱い講義が繰り広げます。
・専門講座では、ビジネスの基本的なエッセンス、起業前後や運営段階で重要なノウハウをコース別に総合的に教授します。(総合コース・観光コース・6次産業コース・ショップ経営コースの4コース)

具体的な成功事例やビジネスプランの作成、会社経営の専門知識などのセミナー等を行い、会社等の設立をはじめ、創業環境の整備・サポートを行うことにより、健全なベンチャー企業等が生まれ、本市の地域活性につなげていくことが企図されており、市も真剣に取り組んでおりますので、是非ご関心のある方やお知り合いに紹介したいという方は、ぬまた起業塾ホームページにて詳細情報をご参照ください。
http://www.city.numata.gunma.jp/jigyosha/chusho/sangyo/1003602.html

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<4> 青山社中の教育事業担当に源が就任
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4月より青山社中の教育事業担当に源が就任しました。
 
学生時代から日米学生会議や京論壇(北京大の学生との交流サークル)に積極的に関わって来たグローバル派で、新卒でモルガン・スタンレーに勤務後、中国に渡って、現地で中国人パートナーと起業するという経歴の持ち主です。その間、東大と北京大で修士号を取得するという学究的な一面も持ち合わせています。

自身が中国に飛び込んで行って起業をし、道を切り拓いて来たという経験も有している彼こそが、リーダー育成事業を引っ張っていくにふさわしいということで、最終決定いたしました。
 
弊社の日本活性化の中心軸の一つである「リーダー(=始動者)の拡充」を果たすべく、リーダー塾、リーダーシップ公共政策学校の運営を中心に、弊社教育事業の大黒柱として一緒に活動していきたいと思います。
 
現在の教育担当の阿部は、弊社新年度である5月から全社的営業に回りますが、5月以降も引き続き教育事業に関しても大所高所から関わってもらう予定です。新体制でも引き続きよろしくお願いいたします。

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<5>  今月のフジサンケイビジネスアイ「高論卓説」
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総合ビジネス金融紙「フジサンケイビジネスアイ」の連載記事
「高論卓説」で今月も朝比奈の記事が掲載されました。

【題名:不都合な真実に満ちた世の中 ~財務省・福田氏辞任の雑感~】
https://aoyamashachu.com/media/2018/5533.html

【過去の記事はこちら(青山社中筆頭代表 朝比奈一郎のブログ)】
http://blog.livedoor.jp/aoyamashachu/

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<6> 青山社中リーダー塾通信
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*青山社中リーダー塾募集の御礼
青山社中リーダー塾は「国や社会のことを考えつつ、各分野で変革の原動力として行動を起こすことのできる人材」の育成を目的に、2011年5月に開講したリーダー養成塾です。本年度も、18歳の大学新入生から辣腕のベテラン会社経営者の方まで多士済済の入塾希望者にお越しいただき、目下選考期間中となっております。

少数精鋭という方針より、大勢の優秀な方々の中からどなたを選ぶのか、大変悩ましい限りで「嬉しい悲鳴」とはまさにこのためにあるような言葉と思うほどです。仮に本年度は残念な結果に終わった方も、是非また来年度、挑戦いただけるのをお待ちしております。このように盛況な応募状況も、ひとえに皆様のご紹介やご推薦の賜物です。社員一同、心より御礼申し上げます。

未来のリーダー人材が、混沌とした現代において基礎となるリベラルアーツを学び、同志と切磋琢磨して自らの人生観・世界観を確立し、力強く主体的に人生を構築し各分野で日本活性化の一翼を担うお力添えができるよう、青山社中は引き続き全力で邁進して参ります。

*青山社中リーダー塾通信
この国の平和を守るために ミッションに目覚め道を見出す
海上自衛隊 済川尚孝(1期生)

現在は海上自衛隊に所属し、日本の安全を守るための任務に従事しております。入塾当初、日本や世界の現状について漠然とした不安を抱き、何かをしなければいけないと思いながら、どこに向かったら良いか分からない、そんな思いを抱えていたことを憶えています。

私がリーダー塾で得た最たるものは、始動する力、“始動力”です。座学編では、普段考えていなかった問題や疑問について深く考え、まとめた上で発表し、塾生間で議論を深めていきます。そうすることで、新しい発見や興味が芽生え、何かを始めようという力を鍛えることができました。講義時間外でも積極的に勉強会やNPO活動等を立ち上げ、塾生同士、切磋琢磨しました。その過程の中で「日本の安全保障のために働く」というミッションに目覚め、現在の道を見出すことができました。これからも塾での学びを胸に、日本の防衛を担っていきたいと思います。

リーダー塾では多様な経歴の持ち主が集まることから、何かを始動するには最高の環境が整っております。リーダー塾生として、ともに始動しましょう!

*新型リーダーシップ・プログラム(仮)合宿でのアドバイザー
7/14~16の三連休に関東近郊で開催予定の2泊3日の合宿プログラム(若手社会人・学生が主な対象)において、朝比奈がアドバイザーおよび講師として招かれる予定となっております。詳細については弊社ホームページなどで追ってご確認いただけるようになっております。乞うご期待!

*NPO法人「地域から国を変える会」(リーダー塾生が立ち上げた団体です) 
【北海道北斗市・道南いさりび鉄道株式会社】 
函館~木古内を走る道南いさりび鉄道(昔の江差線)の沿線において、人を呼び込む事業(=鉄道以外の新規事業)をつくるプロジェクトを行います。北海道の鉄道事情は昨今一層厳しく、本質的には鉄道だけで収支を合わせることは不可能な状況で、鉄道とシナジーを発揮しやすい関連事業を増やしていくしかありません。

【埼玉県鳩山町】 
埼玉県鳩山町では、交流施設と農産物直売所の建設が予定されており、これらの施設を運営する事業スキーム構築を行いました。関係者をいかに巻き込み、いかに恩恵の分配を行えるか、これらを実現するためにはやはりビジョンを共有することが重要であり、まずはそのサポーター組織を立ち上げることになります。

*一般社団法人「日本と世界をつなぐ会」(リーダー塾生が立ち上げた団体です)
【群馬県沼田市】
沼田東部商工会や沼田市主導のもと、沼田市特産品海外販路促進推進協議会を設置して「オール沼田」で沼田ブランドの食品・工芸品・観光商品の海外展開(中国・成都、ベトナム・ホーチミン)を進めるべく、事業計画の策定を行いました。

今年度は、北毛地域の特産品展(展示販売会)と観光レセプション(商談会)を、海外の日系小売を拠点として実施する予定です。

【新潟県妙高市】
4月より朝比奈が妙高市の地域活性化アドバイザーに就任しました。中心市街地の活性化やハイエンドツーリズムの促進などを中心に経済活性化のサポートを行います。今月は第1回目の視察を行い、道の駅、スキーリゾート、中心市街地、アウトドア専門学校などの施設訪問、事業者や行政職員へのヒアリングを行いました。

自然の恵み(農産物・海産物・温泉・山・雪など)が豊富にある妙高市の強みを我々の知恵と融合させることで、新たな事業・取り組みを生みだしていければと思っております。

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<7> 青山社中のメディア掲載・講演等のお知らせ
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<4月の実績>
・4/4 ビジネス・ブレークスルー・チャンネル「社会変革型リーダーの構想力」を収録(朝比奈) 
 ゲスト: ㈱ジャパンタイムズ代表取締役会長 末松弥奈子 氏

・4/6 リージョナル・マネジメント研究会にて新書出版に向けた対談を実施(朝比奈)
 題名:なぜ地方創生はいきづまってしまうのか ~地方創生の「次世代モデル」を探る~(まちひとしごと創生本部 元地方創生総括官 山崎史郎氏、法政大学 経済学部 教授 小黒一正 氏による監修)

・4/13 The Japan Timesにて記事掲載 (朝比奈)
 題名:Preventing another Moritomo scandal

・4/18  中央公論への記事掲載のため、鈴木寛 文部科学大臣補佐官と対談を実施(朝比奈)

  題名:官僚の理想と現実 よりよい行政のためには(5/10に発売)


・4/14 日中リーダー会議にてパネルディスカッションに登壇(朝比奈)
 題名:19世紀末の東アジアの国際関係について(パネリスト:香港科技大学、神奈川大学、恒安国際集団など)

・4/27 フジサンケイビジネスアイ「高論卓説」にて記事掲載(朝比奈)
 題名:不都合な真実に満ちた世の中 ~財務省・福田氏辞任の雑感~


<5月の予定>
・フジサンケイビジネスアイ「高論卓説」にて記事掲載
・The Japan Timesにて記事掲載 
・ボストンで開催されるHarvard Kennedy schoolの同窓会にて青山社中の活動等について講演
・夢・志事塾(三重県を中心にの企業経営者、行政職員、学識者などが集い、次世代を担う人材の養成を目的とした塾)にて講演

 
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