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2018年10月31日
青山社中メールマガジンvol.95 逆維新と地方の自立 ~自治体外交/「抱きつき」作戦~
逆維新と地方の自立 ~ 自治体外交/「抱きつき」作戦 ~
今から151年前の旧暦の10月、徳川最後の将軍慶喜が政権返上を明治天皇に奏上して認められ、いわゆる大政奉還が成立した。 外国勢に対峙すべく近代国家の体制を整えようと、大政奉還以来、血のにじむような努力の下(厳密には「にじむ」どころか、多くの血が流れる形で)、中央集権化が進められ、廃藩置県に代表される諸施策が一挙に実施された。 憲法の文言をちょっと変えようとするだけ、或いは消費税率をちょっと上げようとするだけで百家争鳴となって物事が進まなくなる現代日本からは考えにくいが、世界史の奇跡とも言うべき大胆な諸改革、即ち、税金を米から金に代え(地租改正)、学制を整え、徴兵制を施行し、、、という驚天動地の中央集権化を数年間のうちに実現してしまった。 その間、外国との争い(台湾出兵、朝鮮との間の江華島事件)や士族の反乱(萩の乱、秋月の乱、神風連の乱、西南戦争)が絶えなかったことを考慮するに、まさに奇跡と呼ぶにふさわしい。 そのような多大なる犠牲を払った改革であるが故に、また、とても高く評価されているが故に、中央集権システムを崩すことは容易ではなく、現在本当に必要なはずの地方分権が全く進まない。 ○○県の、或いは××市の成長戦略を、経産省や内閣府が作れるわけも、考えてくれるはずもないわけだが、人材も権限も税財源も中央に集中したまま、有為な若者の地域からの流出が続いている。後継者のいない農地や商店、工場が続出し、都市の消滅可能性まで取り沙汰されている。 薩長を中心に実現した維新自体がそうだが、我が国の歴史は、鎌倉幕府の誕生にせよ、足利幕府の成立にせよ、辺境からの捲土重来を抜きには語れない。しかし、その肝心要の地方において、激しい衰退が進展してしまっており、果たして中央に反旗を翻すだけの力があるかと言えば、甚だ心もとない。 ___ 言葉の正しい使い方ではないが、では、「逆維新」とも言うべき改革、すなわち、1868年の明治維新という中央集権化から150年ぶりの大胆な「地方分権」化が、一体どうやったら進むのであろうか。 変化球であることを承知した上で、ここでは、外交からはじめて行くことを提唱したい。「外交」と言うと、国家が他国と行う交渉事をイメージするのが普通だが、ここで言う外交とは、「自治体」「商工会議所」などの地域の公的機関による外交である。 先週、アドバイザーを務めている北関東の群馬県沼田市(人口約5万人)の市長以下をエスコートする形で、中国の江油市を訪れた。経産省在職時代の縁などをたどって交渉をしていたところ、四川省の対外友好協会から、四川省内の有力市(人口約90万人)である江油市との友好都市化のオッファーがあり、同市でのフェスティバルへの招待があったことがきっかけだ。 正直、今後、上記の事例において、友好都市や姉妹都市に向けて議論が加速するかどうかはわからない。ただ、確実なのは、自ら外交をしなければならないとなると、教育の交流、物産の交流、観光交流その他、様々な面で、自らの自治体を一種「独立国」と考えながら動く機運が生まれるということだ。現に、市長以下、市職員の自立心が大いに芽生え始めている印象を持つ。 それともう一つ、自治体外交には現実的なメリットがある。それは、人口減その他で内需の伸びが見込めない中、「確実な顧客」を外に得られやすくなるということだ。 今はまだ「日本の質の高い製品・サービス」というだけで国際的に勝負できるが、諸インフラなどをはじめ、中国やアジア諸国の製品・サービスの質が急上昇し、安穏とはしていられない。かつて「安かろう悪かろう」だった日本製品の評判が、高度成長期などを経て、国際的に逆転したが、先行者が追い付かれるのは時代の常だ。 そんな中、今後、地域の製品やサービス、観光などを対外的に売り込んでいく際に、○○市と××市の友好関係に鑑み、というのは、とても有効な戦術だ。例えば、既に横浜市とダナン市(ベトナム)が、太い絆を築きつつあると仄聞しているが、ダナンの人は、横浜に親近感を持って、製品やサービスを積極的に利用し、行きたいと考えるようになる。表現は良くないが、いわゆる「抱きつき」戦術だ。 外務省職員の横浜市国際局への出向などが少し前から実現しているが、こうした外交人材を地域に送り込む流れをもっと加速させるべきだ。仕事の中身や人間関係から人生に煩悶し、とりあえず高給の民間企業に転職していく霞が関職員にとっても良い話だと考える。
筆頭代表・CEO
朝比奈一郎
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<1> 青山社中リーダーシップ・公共政策学校政治・行政編(11月開講)、経済・財政編(12月開講)申込み受付中! ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
安倍首相が3選し、来年度に向けて改憲議論や消費税増税の話が出てきておりますが、 その今後の動きを掴むには、現状の政治制度と経済と財政(及び社会保障)の関係性を踏まえておく必要があります。 10月より青山社中リーダーシップ・公共政策学校が開講し、 リーダーシップ編に20名近く参加し、好評のうちに終了しました。 11月には政治・行政編、12月には経済・財政編が始まり、 まさに上記トピックを学べる場となっておりますので、ご興味のある方はぜひお申込みください。
青山社中リーダーシップ・公共政策学校詳細・お申込みはこちら ⇒https://www.aoyamashachuschool.com/
ビジネスパーソンとして社会の潮流を一段高い視点から捉え、より大きな成果を上げたい方、 政治・行政に携わる中で政策立案スキルや仕事力を高めたい方、 漠然と公への思いを持ちながらも、どのように転身を図るべきか考えあぐねている方、 は是非門を叩いてみてください。 様々な業界から集った少数精鋭の仲間たちとの刺激的な交流の場がありますし、 気鋭のオピニオンリーダーとして政策現場に多大な影響力を持つ招聘講師陣と共に全力でサポート致します。 本年度は受講者がより能動的に参加できる、インタラクティブな講座を心掛けております。 録画による遠隔オンライン受講もできますので、遠方の受講者や欠席者へも十分フォロー致します。
【各編講義日程(全日程「木曜19:30~21:30」の開催です。)】
・政治・行政編/担当:竹中治堅 (11/1、8、15)
・経済・財政編/担当:小黒一正 (12/6、13、20)
・政策実務編①/担当:森原誠 (1/17、24、31)
・政策実務編②/担当:久保田崇 (2/7、14、21)
・医療・社会保障編/担当:宮田俊男 (2/28、3/7、14)
※上記の各編を選び、個別に受講頂くことも可能
詳細・お申込みはこちらから ⇒https://www.aoyamashachuschool.com/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
<2> 弊社グローバル事業担当に水野が就任 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
10月より青山社中のグローバル事業担当に水野が就任いたしました。 水野は10年超、経営コンサルティング業務に従事し、日系企業の海外企業とのM&Aや日系企業の東南アジア進出検討等の海外展開支援なども行っておりました。 その経験を活かして、企業の海外展開や自治体へのインバウンド観光客誘致の支援など日本と世界をつなぐべく尽力していく予定です。 新体制でも引き続きよろしくお願いいたします。
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<3> Harvard Kennedy Schoolのアドミッションブログへの掲載 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
朝比奈の母校であるHarvard Kennedy schoolの アドミッションブログにて、朝比奈が紹介されました。 http://hksadmissionblog.tumblr.com/post/179077139263/two-year-mpa-2003-ichiro-asahina?fbclid=IwAR1xaCTYNE3lnLoxZ3lgTEWqnVj-ztIBBBkcIy-92tzxXfAv-Emi1C3tdAM アメリカでの日本のプレゼンスが低下する中、日本の現状を正しく発信する拠点の設立なども視野に、引き続き歩みを進めてまいります。
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<4> 青山社中リーダー塾通信 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
*青山社中リーダー塾/教育事業
【青山社中リーダー塾】 8期生の座学編も半分を終え、現在は思想偏に入っております。先日は軽井沢にて塾生企画での合宿が開催されました。 軽井沢町22世紀風土フォーラムの鈴木会長、軽井沢町議の押金議員や西議員との意見交換会・懇親会を行ったり、みんなで軽井沢の歴史をたどるべく、追分地区の視察や三笠ホテルなどを見学したりしました。塾生同士の交流も深まり、座学編後半戦に突入します。 また、リーダー塾生・卒塾生の社中サロンも4回目を迎え、今回は上海に住んでいた方から中国の電子決済、シェアビジネスなど最新ビジネスの動向、またもう御一方には15世紀の活版印刷からさかのぼって現在に至るまでのメディアの歴史の発表があり、今後の出版の行く末、また塾生の新たな取り組みの話をいたしました。今回の発表を機に中国訪問も企画されるなど様々な取り組みが始まっております。 その他、最近、5期生の結婚式があり、塾生が司会や受付、余興を行ったり、朝比奈がスピーチをしたりして、皆で祝いました。2次会も大いに盛り上がりました。
【ぬまた起業塾】
ぬまた起業塾生や沼田市長をお連れして、燕三条の工場の祭典に参加し、三条市長とお会いしたりしました。来月は塾生との東京企業訪問も予定しております。 *NPO法人「地域から国を変える会」(リーダー塾生が立ち上げた団体です) 【新潟県三条市】 廃校を活用した職業訓練施設・しただ塾の農業6次産業化コースが無事、閉講をしました。続いて、観光アウトドアコースが来月開講をします。しただ塾が開講してから、人の循環が起きていいます。人を人を呼び、人が人に影響を与え、常に進化している下田地域です。
【東京都/商業施設デベロッパーからのご依頼】
東京オリンピックが迫り、建設ラッシュが進んでいる中で、都内の輸送ネットワークが見直されています。弊会では湾岸部に建設される商業施設と駅などを結ぶシャトルバスについて、どのような運行ルート・運行方法であれば、利便性が良く合理的であるかを検証するべく、バス事業者ヒアリング・データ分析を実施しています。
*一般社団法人「日本と世界をつなぐ会」(リーダー塾生が立ち上げた団体です) 【群馬県沼田市】
今月、市長をはじめとした行政及び商工会議所のメンバーとご一緒し、中国成都市及び江油市を訪問しました。 成都市では今後の物産展やインバウンド強化を見据え、現地の日系企業や現地旅行会社等と協議を行いました。また、江油市では先方からの招待を受け、世界各国の自治体との交流や李白に関する文化イベントへ出席、友好を深めてまいりました。
【新潟県妙高市】 2020年度以降の総合計画の策定に向け、今年3度目の訪問となる今回、市長へのこれまでの調査結果のご報告と次年度以降に向けたプロジェクトの提案を行いました。また、3日間の視察の中で、前回に引き続き市のキーパーソンへのインタビューや市内各所の実地調査を行いました。今後もプロジェクトの具体化に向けて支援を進めていく予定です。
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<5> 青山社中のメディア掲載・講演等のお知らせ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
<9月の実績>
・10/12 ビジネス・ブレークスルー・チャンネル「社会変革型リーダーの構想力」を収録(朝比奈) ゲスト:青森県知事 三村 申吾氏(11/28(水)21:00~) 過去回ご視聴希望の方はこちら
・10/13 霞晴会(国家公務員内定者・志望者の会)にて講演(朝比奈) 題名:官僚OBから官僚志望者に送るリーダーシップ論
・10/15 Harvard Kennedy School アドミッションブログにて卒業生として記事掲載(朝比奈)
・10/19 全国地方議員勉強会にて講演(朝比奈) 題名:地方創生とリーダーシップ(始動力)~地方議員への期待~
・10/20 BSジャパン「一柳良雄が問う 日本の未来」に出演 テーマ:“人生二毛作”で広がる可能性(前編)
・10/20 ハーバード松下村塾東京会合において挨拶(朝比奈) ハーバード松下村塾(通称:エズラ・ボーゲル塾)の東京会合において、 エズラ・ボーゲル(ハーバード大名誉教授)を迎え懇親会が開かれ、 立ち上げメンバーである朝比奈が締めの挨拶を行いました。
・10/22 松下政経塾素志発表会(朝比奈) 政経塾新規入塾生の素志発表会にてコメンテーターを務めました
・10/26 フジサンケイビジネスアイ「高論卓説」にて記事掲載(朝比奈) 題名:構想・企画・設計力の時代 行動できるリーダーますます必要
<11月の予定>
・フジサンケイビジネスアイ「高論卓説」にて記事掲載
・The Japan Timesにて論考掲載
・BSジャパン「一柳良雄が問う 日本の未来」に出演(後編:11/3,10(再放送))
・11/11 日本青年会議所 群馬ブロック協議会主催の憲法に関するシンポジウムの基調講演・モデレーター (13:00から前橋市群馬会館にて開催いたします。ご参加希望の方はこちら)
・11/26 中曽根康隆国政報告会にてJINS田中社長との対談 (18:30からヤマダグリーンドーム前橋にて開催)