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2020年1月31日
青山社中メールマガジンvol.110 文化を巡るあれこれ ~ゴーン氏「脱出」、新型コロナウィルス拡散など雑感~
………. [もくじ]…………………………………………………………………………………………….
1. 朝比奈一郎の論考「文化を巡るあれこれ ~ゴーン氏『脱出』、新型コロナウィルス拡散など雑感~」
2. トピックス
- 青山社中リーダーシップ・公共政策学校、「財政・社会保障講座」が2月より開講!
- 読売テレビ「ウェークアップ!ぷらす」に朝比奈が出演
- テレビ朝日「報道ステーション」に朝比奈が出演
- 墨田区議会にて公共調達基本条例と町会・自治体振興条例の起案作業を支援
- ぬまた起業塾の閉講式を実施
- 那須塩原駅周辺まちづくりビジョンの第5回有識者会議にて朝比奈がコーディネーターに
- JBpressに朝比奈の論考が掲載
- BBTch番組にREAPRAグループCEO諸藤周平氏が出演
- アゴラに朝比奈の論考が掲載
3.採用情報 政策作成支援関連業務担当を募集中
4.青山社中リーダー塾通信
- 青山社中リーダー塾/教育・コミュニティ構築 事務局より
- NPO法人「地域から国を変える会」より(群馬県安中市、北海道北斗市)
- 一般社団法人「日本と世界をつなぐ会」より(群馬県沼田市、長野県軽井沢町)
5.青山社中のメディア掲載・講演等のお知らせ
6. 編集後記
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1. 朝比奈論考「文化を巡るあれこれ
~ゴーン氏『脱出』、新型コロナウィルス拡散など雑感~」
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2010年(11月)に経産省を離れて青山社中を設立し、早くも10年目を迎えた2020年。感慨にふける間もなく、年初の1月から出張でベトナム・ホーチミンや奈良県明日香村という私にとっての「非日常空間」にどっぷり浸ったこともあり、自分の中の「文化・文明思考脳」が刺激されたような気がする。そんな背景もあって、ちょっと変わったパースペクティブから昨今世上を騒がせているニュースを見て感じた雑感を記してみたい。
まず、年初からいきなりの大騒ぎとなったゴーン氏脱出問題。まんまと謀られて日本の司法、ひいては日本全体が氏の思惑通りに国際世論合戦で悪者にされてしまっている感がある。日本非難では「定評」のあるニューヨーク・タイムズではあるが、明確に、脱走者であるゴーン氏の行動について「いたしかたない」という主張まで書かれている。
「日本が好きだ」と言いつつも、辛辣に日本の司法を非難するゴーン氏は、「長時間拘束された」「妻にも会わせてもらえない」「弁護士の立ち合いがない」など、日本の司法制度のあり方について、主に欧米の価値観から「非常識」だと訴え、それがまた主に欧米の世論に受け入れられている。
だが、ちょっと待ってほしい。司法制度の根幹は、公平なるジャッジをする裁判官(判事)の前で、攻撃側の検察と、防御側の弁護人が、それぞれ証拠などの「武器」を用いつつ論戦を繰り広げることにある。どちらかに過度に「武器」が与えられてしまう状態では、この制度はバランスを失して崩壊する。欧米では、詳細は国によって異なるが、いわゆる「おとり捜査」や、違法な調査に基づいて収集された証拠ですらも証拠能力としては意味を持つことが多く、検察に強い武器が与えられている。日本はそうではない。いわば欧米に比べて手縛り状態の検察に対して、弁護側が過度に有利にならないように、バランスを持って制度が設計されているわけで、全体を見誤ってはならない。
司法・警察制度だけが原因ではないが、結果、例えば、10万人あたりの殺人件数で日本は、0.24件で、世界有数の治安の良い国となっている。ゴーン氏が国籍を持つフランスは1.27件、アメリカは5.32件(いずれも2017年のデータ)であり、乱暴に言えば、「とやかく言われる筋合いはない」との感じもする。
ゴーン氏事件に絡めて良く言われる有罪率についても、日本は起訴されると99%有罪となり、圧倒的に検察有利だと国際的な非難の的になっているが、実は、検挙されてからの有罪率だと、年にもよるが、大体3割台だとされている。諸外国と異なり、確実に「怪しい」案件のみを起訴するという姿勢がこの両数字を産んでいる。
つまり、この問題は、私に言わせれば割と根の深い文化の違いに起因する主張の違いであり、「事前チェック型の日本/慎重に事を進める日本」と「やるだけやって、何か問題があれば事後に訴訟等で争えば良いという事後型カルチャーの欧米」の違いとも言える。文化とはある人間集団の生活様式そのものであり、文明とは、一定以上の水準に発達した社会の文化だと喝破したのは、霊長類研究の泰斗の上山春平氏だが、文明化した様式同士の対立は解がなく、なかなか難しい。
私の理解では、弁護士出身の森法務大臣は、こうした問題の理解力や発信力において出色の大臣であり、英語力も駆使して、こうした日本の主張を極めて適時適切に国際社会に訴えていると思う。これが、妻の選挙に絡む疑惑で辞任した河合前法務大臣だったら…と考えると寒々とした気持ちにもなるが、とはいえ、私の認識では、残念ながら現下、ゴーン氏の主張に比べて、世界に日本の主張が受け入れられているとも思えない。
これまた文化が絡むわけだが、異なる価値観を持つ多様な人たちに自己の主張を受け入れてもらうためのPR力、という点で、我々日本人の意識は、残念ながら低いと言わざるを得ない。私見では、「真摯に正しい主張さえしていれば、やがて相手は理解してくれる」という集団の同質性を前提とした文化が主な原因だ。仮に日本政府がレバノン政府に熾烈な働きかけをしてゴーン氏を取り戻したとしても(その可能性は低いが)、このままでは、おそらくは有力なPR会社・PR人材等を味方につけつつ強烈な発信を行い、一説によると、既に、ネット番組でのドラマ化も決まって世論に訴えかける(ついでに多額の収入も得る)予定のゴーン氏が、国際世論上は勝利してしまう可能性が高い。
「日本=加害者、ゴーン=被害者」という図式が崩れない限り、このゲームはひっくり返らないと見るべきで、PR的観点からは、素人ながら、きちんと、「ゴーン氏=加害者(対日産、対ルノーなど)」という点を主に提示しなければならないと感じる。
さて、紙幅が尽きてきたので、簡単な言及に止めるが、文化の違いということでやはり驚愕するのは、中国における新型コロナウィルス問題だ。この文章を書いている朝も、上海からの客とミーティングをしていたが、何かと触れることの多い中国人・中国関係者のやり取りなどを聞いていると、問題が顕在化してから「1週間で新しく病院が出来た」(問題があれば、とりあえず合理的にパッと対応。それで何か生じたらその時に考えれば良い)とか、「これは、中国が高度に技術国になるチャンスだ」(感染を防止するためにテレワークやオンライン授業が大いに広まる)など、日本の常識では考えられない事態、言説が飛び交っている。
我が国においても、「やあやあ我こそは」と名乗りを上げて戦をし、恩賞のためには平気で主君を裏切るかつての超個人主義的武士集団が、論語的倫理観を重視する「武士道的集団主義武士団」に変わって行ったように、文化というものは変わることもある。過度に事前チェックをして、慎重に、慎重に事を進める日本が変わるきっかけとなるだろうか。2020年は。
筆頭代表CEO
朝比奈 一郎
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2.トピックス
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<1> 青山社中リーダーシップ・公共政策学校、「財政・社会保障講座」が2月より開講!
財政・社会保障講座が2月より開講します。
担当してくださるのは、小黒一正先生です。
本講座では、経済・財政の解決策を模索する上での基本的な視角を身につけることを目的として、
・人口減少が進む中で経済成長を考えるにあたり、成長率の指標は何を採用すべきか
・社会保障費はどこまで抑制・削減できるか
・公的年金の2019年財政検証から何が読み取れるか
・政治的に世代間公平をどう実現するか
など、経済・財政を巡る課題の解決策のあり方を学び、そして小黒一正先生や参加者同士で議論し合います。
席数に限りがあり、残席僅かとなっております!
ご検討されている方はぜひこの機会にお早めにお申込ください。
▼青山社中リーダーシップ・公共政策学校お申込はこちら
※個別講座の申込は各講座初回講義前日まで受け付けております
▼お問い合わせはこちら
<2> 読売テレビ「ウェークアップ!ぷらす」に朝比奈が出演
1月4日(土)放送、
辛坊治郎氏がメインキャスターを務める
読売テレビ「ウェークアップ!ぷらす」に朝比奈が出演しました。
「未来予想図 2020年代の日本を見に行く」が特集で、
橋本五郎氏(読売新聞特別編集委員)
中江有里氏(作家・女優)
野村修也氏(中央大学法科大学院教授)とともに、
迎えた2020年代に朝比奈が特に注目している高齢化率30%や人口減少をはじめとした事項について、コメンテーターとして解説・私見を述べさせていただきました。
詳細はこちら
<3> テレビ朝日「報道ステーション」に朝比奈が出演
1月23日(木)、
富川悠太氏・徳永有美氏がメインキャスターを務める
テレビ朝日「報道ステーション」に朝比奈が出演しました。
主に前半部分の新型コロナウィルス、河井議員問題、ロヒンギャなどについて
コメンテーターとして朝比奈より解説・私見を述べさせていただきました。
詳細はこちら
<4> 墨田区議会にて公共調達基本条例と町会・自治体振興条例の起案作業を支援
墨田区議会自由民主党政策調査部会において、
・公共調達基本条例(公契約を含む)
・町会・自治会振興条例
の条例起案作業を支援しました。
詳細はこちら
<5> ぬまた起業塾の閉講式を実施
1月25日(土)、
群馬県沼田市での起業を「オール沼田」の体制で支援する
「ぬまた起業塾」の第5期閉講式が行われました。
詳細はこちら
<6>那須塩原駅周辺まちづくりビジョンの第5回有識者会議にて朝比奈がコーディネーターに
1月31日(金)、
朝比奈が経済活性アドバイザーを務める
那須塩原市の第5回那須塩原駅周辺まちづくりビジョン「有識者会議」にて
朝比奈がコーディネーターを務めました。
那須塩原市が今後どのように課題解決に取り組んでいくか、
活発な議論がなされました。
詳細はこちら
<7> JBpressに朝比奈の論考が掲載
1月24日(金)、
JBpressに朝比奈の論考が掲載されました。
“立憲民主党と国民民主党が一つにまとまれない理由”
記事はこちら
<8> BBTch番組にREAPRAグループCEO諸藤周平氏が出演
朝比奈が講師を務めるビジネスブレークスルーチャンネルの講義
「社会変革型リーダーの構想力」のゲストとして、
REAPRAグループCEO諸藤周平氏をお招きし、講義を収録しました。
本講義は2020年2月26日(水)に配信される予定です。
ご視聴はこちらから
<9> アゴラに朝比奈の論考が掲載
2019年12月29日(日)に、
言論プラットフォーム「アゴラ」に朝比奈の論考が掲載されました。ぜひご覧ください。
“非合理に見えて実は合理:2020年にワクワクする理由”
記事はこちら
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3. 政策作成支援関連業務担当を募集中
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業務の拡大等に伴い、担当者を募集します。
※経験・能力・意欲等によっては、
いずれ、弊社役員として担当業務の責任者を務めていただくことも想定
詳細はこちら
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4. 青山社中リーダー塾通信
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*青山社中リーダー塾/教育・コミュニティ構築事業 (担当:4期生村上)
【リーダー塾起業家会】
リーダー塾生で起業した人を中心に、「リーダー塾起業家会」が昨年立ち上がり、1月24日(金)に第2回の集まりがありました。今後、起業に関心を持つリーダー塾生も交えて、活動を行う予定です。
【青山社中まったりバー】
1月24日(金)に、塾生が気軽に集まって、今の関心事項を話す、「まったりバー」を開催しました。今回はテーマを「エネルギー」とし、3人の塾生から、それぞれアカデミア・政策・メーカーの立場から、エネルギーについて話をしてもらいました。
アンモニアの生成・分解方法、資源燃料政策、水素エネルギー戦略について、ざっくばらんにお話いただき、活発かつ和気あいあいとした会となりました。
【教育・コミュニティ構築事業 担当インターン瀧より】
教育事業インターンの瀧です。2019年の4月から勤務開始し、まもなく10か月を迎えます。この間、多くの志ある大人にお目にかかりました。そして、そうした方々が集い、議論し、新しい気付きを得たり、新しい何かを始めたりする場の持つエネルギーにも触れることができました。あと2か月で、次の代のインターン生と交代となります。今後も、青山社中の持つコミュニティとしての価値が高まり続け、「国や社会のことを考えつつ、変革に向けた行動を起こすことのできる人材」が生まれるような環境づくりがなされることを祈っております。
*NPO法人「地域から国を変える会」(リーダー塾生が立ち上げた団体です。事務局長:1期生大山)
【群馬県安中市 ~施設運営改善】
碓氷峠鉄道文化むらで運営改善の取組みを行っていますが、昨年より提案・検討してきた地元のもつ煮・肉豆腐の名店「越後屋」が施設内に2月22日、復活オープンすることになりました。昨年3月に全焼してしまった越後屋は、鉄道ファンやトラック運転手の常連が多い店舗で復活を求む声が多く上がっていました。現在、施設内の飲食施設は乏しい状況にありますが、一つの起爆剤として期待されます。
上毛新聞関連記事
【北海道北斗市 ~施設運営改善】
新函館北斗駅隣接の観光施設の運営改善にあたり、サインの改修・休憩所のリニューアルの準備を行っています。木材を多用した休憩所に進化し、鉄道・バス利用客の動線強化のためのサインがまもなく完成します。
*一般社団法人「日本と世界をつなぐ会」(リーダー塾生が立ち上げた団体です。事務局長:7期生水野)
【群馬県沼田市】
朝比奈が経済活性アドバイザーを務める沼田市において、現在推進をされている海外販路開拓チャレンジ事業の中で、2月下旬に開催されるベトナム・ホーチミン市での展示即売会について、参加事業者向け説明会を行いました。
今回の展示即売会では、ホーチミン髙島屋での展示即売会を中心に、ホーチミンシェラトンでの現地企業との商談会、インバウンド関連での現地旅行会社との商談、Japan Vietnam Festivalへの出展など、多くの施策で沼田市事業者の産品や沼田市の現地事業者・消費者へのPRを行います。
開催まで1か月を切りましたが、沼田市事業者にとっての成果に繋がるように引き続き支援をしてまいります。
【長野県軽井沢町】
朝比奈が未来共創アドバイザーを務める軽井沢町において、100年後の軽井沢を住民主体で描く軽井沢22世紀風土フォーラムにおいて、エリアデザイン地域会議について、新軽井沢にて第4回目の運営会議、中軽井沢にて第3回の運営会議が開催されました。
新軽井沢エリアデザイン運営会議では、改めて今回のエリアデザインで目指す目的・ゴールに関する議論が行われ、運営会議メンバーでの認識共有が行われたうえで、今後企画を行っていく新軽井沢の住民との対話イベントについて議論がなされました。
中軽井沢エリアデザイン運営会議では、特に中軽井沢地域会議で取り組んでいくテーマについての議論、合意形成が成されたうえで、中軽井沢を盛り上げる具体的な企画の実施について議論がなされ、具体的なアクションに向けて闊達な議論がなされました。
新軽井沢・中軽井沢ともに、住民を巻き込む形での企画が具体的に検討される段階に入り、企画を通して住民意見の集約やエリアのありたい姿の議論が進んでいくよう、弊社も引き続きサポートしてまいります。
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5.青山社中のメディア掲載・講演等のお知らせ
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<12月の実績>
・12/29 アゴラに朝比奈の論考が掲載
<1月の実績>
・1/4 読売テレビ「ウェークアップ!ぷらす」に朝比奈が出演
・1/22 BBT Chの講義「社会変革型リーダーの構想力」が放映
・1/23 テレビ朝日「報道ステーション」に朝比奈が出演
・1/24 JBpressにて朝比奈の記事が掲載
・1/25 ぬまた起業塾の閉講式にて朝比奈が講話
<2月の予定>
・2/15 IHL ヘルスケアリーダーシップ研究会にて朝比奈が講演予定
・2/25 一志会にて朝比奈が講演予定
・2/上旬 言論プラットフォーム「アゴラ」にて朝比奈の論考が掲載予定
・2/中旬~下旬 JBpressにて朝比奈の論考が掲載予定
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6.編集後記
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大変有難いことに、
報道番組等で朝比奈に
コメンテーターとしてお話いただく機会が増えてきました。
※直近2年の朝比奈の論考とメディア掲載一覧をまとめてみましたので
お手隙の際にご覧いただけましたら!
https://note.com/aoyamashachu_pr/n/n60c495f2a56c
広報担当として、2020年の青山社中10周年イヤーをさらに盛り上げるべく、
皆さまにもお力添えをいただきながら
今後も、少しずつ青山社中を知っていただいたり、
目に触れる機会を増やしていきたいと思っております。
令和2年も青山社中をよろしくお願いいたします。