財政・社会保障
法政大学経済学部教授
元財務省
京都大学理学部卒業、一橋大学大学院経済学研究科博士課程修了(経済学博士)。大蔵省入省後、財務省財務総合政策研究所主任研究官、一橋大学経済研究所准教授などを経て現職。会計検査院特別調査職、(財)鹿島平和研究所理事、日本財政学会理事。専門は公共経済学。主な著書に『日本経済の再構築』(単著/日本経済新聞出版社)、『薬価の経済学』(編著/日本経済新聞出版社)など。
「本講座は、日本経済や財政・社会保障が抱える問題の本質を浮き彫りし、中長期的な観点からその解決策のヒントを提供するものです。そのヒントを一緒に考えて、模索する人々に受講していただきたいと思います。」
デフレ経済からインフレ経済への転換が進むなか、日本経済は新たなステージに転換し始めている。政府は物価と賃金の好循環を目指すが、円安が進行するほか、社会保険料負担の増加などで手取りは伸び悩む世帯も。このような状況のなか、「103万円の壁」の引き上げも大きな政治課題となったが、人口減少・少子高齢化で軋む日本経済、累積した政府債務。何が間違いで、何が正しいのか。本講座では、経済・財政の解決策を模索する上での基本的な視角を身につけることを目的とする。このため、金融政策や、財政・社会保障に関連の深い諸理論などを紹介し、データ等に基づき、経済・財政を巡る課題の解決策のあり方を議論する。
人口減少・少子高齢化と経済成長、少子化対策というテーマで、出生率の複眼的な見方を含め、成長を促進するヒントを探る。
人口減少と経済成長
課題①:少子化対策のヒントも含め、出生率の基本方程式から何が読み取れるか。
課題②:人口減少の下では経済成長しないのか。
成長戦略
課題①:極点社会、人口減少下での成長促進のヒントは何か。
課題②:可処分所得の上昇(賃上げの実現)には何が必要か。
ドーマー命題が示す日本財政の本当の姿、日銀との統合政府論や金利上昇の影響、MMTの徹底検証。
財政の持続可能性と世代間格差
課題①:経済成長のみで財政再建は可能か。
課題②:政府支出などの乗数効果をどう評価するか。
課題③:国債発行の負担とは。
金融政策の軌道修正と財政政策の先行き
課題①:日銀が国債を買い切れば、財政再建できるか。
課題②:MMTが見落としている視点は何か。
年金の積立方式への移行は本当に不可能か。2024年・財政検証の考察。医療を含む社会保障制度の問題を政治的に解決するヒントを探る。
年金改革と課題
課題①:年金の積立方式への移行は本当に不可能か。
課題②:公的年金の2019年財政検証から何が読み取れるか
医療制度改革、政治
課題①:医療財政を安定化させる方策はないのか。
課題②:政治的に世代間公平をどう実現するか。