ニュースリリース

青山社中メールマガジンvol.113 アフター(ウィズ)・コロナと日本の戦略 ~「あいまい国家・日本」の針路に自信を持とう~

………. [もくじ]…………………….………………………………………………………………………
1. 朝比奈一郎の論考「アフター(ウィズ)・コロナと日本の戦略
~「あいまい国家・日本」の針路に自信を持とう~」
2. トピックス
  - ラストチャンス!青山社中リーダー塾第10期生の申込は5月3日(日)まで!
  - 4/15(水)青山社中フォーラムVol.49にて東京大学 松尾豊教授がご登壇
  - 朝比奈が日本GR協会の代表理事に就任
  - JBpressに” コロナを機に変わる価値基準、日本的経営の再評価も”のタイトルで朝比奈の論考が掲載
  - アカデミーヒルズにて朝比奈の論考が掲載
  - 青山社中に新メンバーがジョイン
  - 政策支援担当の竹内が北海道大学公共政策大学院の公共政策学研究センター研究員に任命
  - BBTch番組に株式会社ビービット代表取締役 遠藤直紀氏が出演
  - 「ぬまた起業塾」が説明会参加者・入塾希望者を募集
  - アゴラに朝比奈の論考が掲載
3. 青山社中からのお知らせ
  - 【更新】新型コロナウイルス感染拡大防止のための在宅勤務実施につきまし
  - 体制変更のお知らせ
4.採用情報
  - 2020年度インターン募集を締め切りました
5.青山社中リーダー塾通信
  - 青山社中リーダー塾/教育・コミュニティ構築 事務局より
  - NPO法人「地域から国を変える会」より(新潟県三条市、群馬県安中市)
       – 一般社団法人「日本と世界をつなぐ会」より(新潟県妙高市)
6.青山社中のメディア掲載・講演等のお知らせ
7.広報note更新のおしらせ
8.編集後記
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1. 朝比奈論考
「アフター(ウィズ)・コロナと日本の戦略
~「あいまい国家・日本」の針路に自信を持とう~」
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1.情けない日本のメディア・ネット空間(ちょっと長めのメディア批判)

一貫性のないメディア・炎上系政治芸人
「さすがにくだらない批判ばかりで飽きた」
最近の私の心象風景を一言で表すとこうなる。現在の状況を踏まえるとやむを得ない面はあるものの、さすがにコロナ狂騒曲とも言うべき見るに堪えないメディア・ネット空間に辟易しているのは私だけではないと思う。

政府の緊急事態宣言発出については「遅い」、政府のマスク配布(“アベノマスク”)についても「ふざけるな」、緊急経済対策については、「少ないし、遅い」の大合唱だ。確かに、一つ一つの批判については首肯できる部分もある。また、これら政府の主要対策に関する「反射神経的・即物的批判」を超えて、私としても、「もっと検査数を増やして、感染者を回復まで区別できないのか」「各種手続きのテクノロジー導入による迅速化、特に医療・教育の大胆なオンライン化を進めるべき」等々と感じており、手放しで現政権・政府を褒めるつもりは毛頭ない。

ただ、『職業としての政治』でマックス・ヴェーバーが説くまでもなく、政治は結果が重要だ(“結果責任”)。すべてが政治の影響ではないにせよ、現時点では、わが国の人口当たりの死亡者数が相対的にかなり少なく済んでいることは確かであろう。意見を言うな、ということではないが、自分たちが民主的に選んだ政権が、それこそ民主的に(いろいろな意見・事情を踏まえながら)、最善だと思う策を実施していることを信じるところから始め、ある程度のところで結果を見て、「さて、これはダメだ」と思ったら、政権を変えるしかない。OKY(おまえ、来て、やってみろ)とは良く言ったものだが、実際に「やる」のは本当に難しいのだ。自分が代わりに務める覚悟もなく、代わりになる人たちを応援する気概もないままに、文句だけを言うのであれば、駄々っ子と変わりない。

単に未知のウイルスに対して、言いようのない不安を抱え、そこから来る不満をメディアやネット上で爆発させているだけだとしたら更に情けない限りだ。同じ人間である政治家や政府の担当者にとっても、新型コロナは未知のウイルスであることを忘れてはならない。

それにしても、わが国の主要メディアの、その一貫性のなさ・無節操ぶりはどうだろうか。例えば、2015年の安保法制の議論、そして、いわゆるモリ・カケ(森友学園や加計学園を巡る騒動)が勃発した際のメディアの主要な批判は、「安倍の独裁ぶり」ということであった。「安倍一強」「官邸独裁」「独裁による忖度(そんたく)政治」「強引な政権運営」と、要すれば、「もっと人の意見を聞いて、民主的にやれ」ということであった。

それがどうであろうか。最近のメディアは手のひらを返したように、「もっと断固とした措置をとれ」「早く、早く」「財政なんて関係なく、バンバンと出せ」と、様々な意見があることを無視しろと言わんばかりに独裁的政治を求めている。かつて白洲次郎が「プリンシプル(原則)のない日本」と喝破したが、どの口がそういうのか、と主張の軸がない。

したり顔でそう主張する人(メディアが連れてくる有識者。いわば視聴率を稼ぎたいメディアとの共依存関係。)も固定化してきていて見飽きてきた。今がチャンスとばかりに「自分は決断力があります」と声高に叫ぶさまは、まるで「政治ゴロ」だ。放火魔のような炎上系政治芸人に騙されないようにしたいものだ。

同調圧力
思うに日本のメディアは、異様に「同調圧力」が強い。今回のコロナ禍は、確実に効く治療薬やワクチンがないので大変ではあるが、冷静に考えればすぐわかるように「重症化する割合や死者の数に鑑みて、ここまでヒステリックに騒ぐ話ではない」というメディアの主流とは違う意見があっても良い。そうした意見を持つ人がメディアに出てくることは稀であるし、出ても同調圧力の強い日本メディアのまな板の上で晒し者にされるだけなので、そもそも出づらい。

日本の年間の交通事故の死者は昨年(2019年)は記録的に少ないが、それでも3,215人である(四半世紀前の1990年代半ばまで1万人超。1970年頃は1万5,000人超)。流行してから2~3か月のコロナ禍での死者は400名足らずだが、死者を出さないためにも断固たる措置を取れとメディアで大騒ぎする“有識者”で、「自分は自動車に決して乗らないようにしている」とか、「今すぐ政権は断固として自動車使用を禁止すべき」と言っている人は寡聞にして知らない。

世界では、ノルウェーのような強烈なロックダウンを実施している国もあれば、スウェーデンのように、「治療薬がない以上、集団免疫を獲得する戦略に出る」と、かなり緩い自粛にとどめている国もある。米国の各州(英語だとstate。「国」と訳されることもある単語)の中には、経済的な死こそが深刻ということで、経済優先のトランプ大統領もさすがに懸念するほどに営業規制が緩和されたジョージア州(ボーリング場、理髪店等もOK)のようなところもある。危機の山を越えた中国はもちろん、まだ深刻なはずのイタリアやスペインでも経済活動再開の動きが様々に出ている。

民主主義の実現には、様々な意見が前提にあることを肝に銘じたいところだが、日本のメディアにはその姿勢が乏しいと言わざるを得ない。

日本の対応はダメ? よくやっている?
繰り返しにはなるが、日本は、ほとんど強制力のない「緊急事態宣言」だけで、強制的な行動制限もせずに、多くの国民の協力を得て民主的に、国際的に比較していい結果をここまで出している。

少し格好よく書けば、「民主的にバランスを取っている」わけだ。経済活動が止まってしまうと困る人、歳出余力の少ない国家財政、そしてもちろん、国民の健康(安全・安心)。足して3で割れば、今の日本のような一種「あいまいな」(≒バランスを重視した)対応となる。民主的とは、基本的にはそういうことではなかろうか。

もちろん、これが本当の「戦時」であれば、国民生活をより極端に制限するなど、「果断」な対応が必要であろう。日本にその備えが出来ているか、といえば(緊急事態対応や有事法制等)、はなはだ心もとないが、それはまた別の議論だ。

今回のコロナ禍に話を戻せば、そもそも、ウイルスとの戦いは「戦争」ではないし、先ほど、交通事故との比較をしたが、歴史的・あるいは他の事象と比べるなど、総体的(相対的)に見れば、過度に極端な対応は必要ないとも思える。私自身は、恥ずかしながら「ビビり」であるので、会社もすぐに全面的にテレワークとし、家族も私も必要不可欠な最小限の外出しかしないようにしているが、個人としての行動と社会の在り方は別問題だ。

人は、不安な状態に置かれれば置かれるほど「果断」な歯切れの良い言説・行動に惹かれるが、大事なのは、本当に社会として、そこまでの対応・極端な対応が必要かどうかをきちんと見極めることだ。ファシズム等の歴史を振り返るまでもなく、歯切れの良いことほど危ないことはない。

もう少し、我々は、現在の日本の対応、更にいえば、自分たちが自分の手で民主的に作り上げている国や社会について、責任と同時に自信をもって、これを肯定的に考えても良いのではないだろうか。

そういう前提で、以下、紙幅の関係で手短にはなるが、建設的に、今後の世界の方向性と日本の針路について、社内外での多くの方々との議論などを元に、自分の頭で考えてみたい。ギャーギャーと目先の話で騒ぎ立てるメディアやネットの言説には辟易した。軸のないメディアや炎上系政治芸人に惑わされずに、冷静に考えてみたい。

2.コロナで世界はこう変わる

1)国内外の格差拡大/米中対立の激化
コロナ禍下でのオンライン教育の普及で明らかになったことの一つは、少なくとも短期的には教育格差がますます拡大するということだ。確かに、WiFi環境が充実していてパソコンも複数台持っている家庭の子どもは、学校が休校である中でも、無料・有料の様々なオンライン教育コンテンツを自由に活用できる。ただ、例えば容量も時間も制限されているスマホしか持たない片親の家庭の子どもはそうはいかない。これでは、格差は拡大の一途だ。

そしてもちろん、米国をはじめ、各国で失業が激増する中、コロナ禍下で業績を伸ばすネット系の企業に勤める優秀なエンジニアなどとの所得・生活格差が激増することは言うまでもない。今後、国内での各種の格差拡大が起こり、特に不満を持つ層の矛先を海外に向ける動きが、米国をはじめ、各国で盛り上がる可能性が高いのではないか。そして、そのことが、更に国家間対立を深めることになる。

しかも、これが一種のイデオロギー的対立につながると、なおさらやっかいだ。既に、ハラリ氏などがその危険性を指摘しているが、感染症拡大を防ぐべく「国民の安心・安全」を旗印に、国民のバイタルデータを全て管理・監視する方向に進む権威主義的・一党独裁的国家(たとえば中国にその可能性が指摘されている)と、民主主義の大切さを標榜し続ける国家(たとえばアメリカ)との対立は、コロナ禍の責任問題から、貿易問題に至るまで益々激化していきかねない。

2)テクノロジー導入の飛躍的促進
既に、わが国では、コロナ対策で多くの企業等がテレワークを導入し、院内感染等を防ぐためのオンライン診療も進み、そして先述のとおり、オンライン教育も拡大している。保守的な国民性とも言われる日本ですらこの状況であるが、欧米や中国をはじめ、各国のコロナ禍下でのテクノロジー導入は、かなり「過激」だとも聞く。

ハラリ氏のガーディアン紙での4月20 日付の「死」の人類の受け止めについての論考を興味深く読んだが、特に「来世を大切にする宗教の教えより、現生でサイエンスを大切にする動きが既に進んでおり、その傾向は、今後ますます進む」という部分が印象的であった。アフター・コロナの時代は、不可逆的に、また、かなりのスピードで各種テクノロジーを活用したバーチャルな世界が広がっていくことであろう。

テクノロジーの導入が世界的に進むということは、即ち、世界がインターネットその他の通信手段で更に容易につながるということだ。私見では、上記のとおり、国家間の対立は深まる可能性が高いが、逆に国民間、もしかすると自治体間くらいまでは、世界は一層つながりを深める。テクノロジーの進化がオープンで分散的社会を進めて行くことになるのではないだろうか。象徴的に言えば、集住を促すコンパクトシティ化のための土木・建築投資より、現代の「土管」ともいうべき、ネット環境の整備、5Gやその先の6Gに向けた投資が官民を問わずに進んで、世界の限界集落同士がつながる方向に世界が向かう気がする。

3)幸福を求める動き(倫理的生活)
私自身、原則テレワーク勤務に入って1か月が経ったが、以前との圧倒的な変化は、通勤がなくなり、家族と過ごす時間が増えたことだ。各種のキャンセル対応なども含め、パソコンに向かって作業をしたりオンライン会議をしたりする時間は、体感ではかつてより増えているが、それでも、朝昼晩の三食を家族と一緒にとり、ほぼ毎日一時間ほどの散歩に家族と出かけ、たまには一緒に映画を見たりもして、夫婦間・子供たちとの会話も増えた。

テレワークが広がって不倫カップルが容易に会えずに困っているなどという面白おかしい報道もあるが、却って夫婦間や家族間がギクシャクしてしまっているケースも含め、家族と過ごす時間が増えているビジネスマン・ウーマンが多いことは確かであろう。コロナ禍は早く終わってほしいが、正直、家族と過ごす時間が激減する生活に戻るのは恐ろしい気もする。

このように、家族とより多くの時間を過ごすことにより、「幸せ」とは何だろう、ということを体験的に改めて感じる動きが加速しているが、同時に、コロナ禍で死や病を身近に感じざるを得ないことから、不安の裏返しとして、生の実感を求めようという動きも加速しているようにも見える。また、オンラインでの作業が激増していることから、リアルのつながりを反動的・反射的に求める動きも盛んになっている気がする。バーチャルが発達すればするほど、人間の本性としてリアルを求めるのかもしれない。

先般、NHKにて、先述のハラリ氏、イアン・ブレマー氏、ジャック・アタリ氏の3賢人にコロナについて問う番組が放映されていたが、ハラリ氏が毎日2時間瞑想をしていること、そして、ブレマー氏が、自らも一緒に過ごしている写真を示しつつ、犬を飼うことを視聴者に勧めていたのが印象的であった。

アフター・コロナの世界では、より一層、経済的価値以上に、手触り感のある幸せ、個人や家族単位での倫理的生活を好む傾向が、社会全体として強まる気がする。

以上の新しいアフター・コロナの世界の行方を見据え、以下、最後に、日本の進むべき道についての私論をごく簡単に述べてみようと思う

3. 日本の進むべき針路

1)日本的民主主義の整理と発信
今回のコロナ禍で、メディアが散々に煽っていた「安倍一強」問題の化けの皮が剥がれた(要は、国際的にみれば、習近平・プーチン・トランプなどと比べて、安倍独裁などは可愛いもので、強制力をもったロックダウンすら容易にはできない)と上述したが、現状のコロナ禍程度のリスクであれば、私はこのことは誇るべきことだと感じている。日本は極めて民主的であると。

何もこれは、戦後のいわゆる「押しつけ憲法」とも言われる日本国憲法で、日本は三権分立はおろか、「国権の最高機関(41条)」たる立法府(国会)に行政府は頭が上がらなくなっているからだけではない。ここでは詳述はしないが、日本の歴史を振り返れば、天皇機関説や幕府との二元統治などの例を挙げるまでもなく、よほどの非常時を除き、天皇陛下は、極めて民主的に(周りの目を気にして)、国家の統治をおこなってきた。

我が国は一人に、また、一か所に権限が集中することを極端に嫌う国柄だと言えよう。私見では、特に本当の非常事態などに際し、こうした平和ボケ体制でいいのだろうか、と思わないでもないが、多くの場合、歯切れは悪くとも、三方良しで、共存共栄で、バランスをとりながら「あいまいながら」前に進んでいく日本は、良いのではないか。

何しろ、「場所的論理」を掲げ、絶対矛盾の自己同一という一見意味不明な難解な西田哲学を生み出した国である。いかなる時も果断を旨とする諸外国と違っていても良いではないか。個人的な体験ではあるが、かつて政府で援助行政を担当していた際、また、特許庁に勤務していた際など、制度とその背景にある彼我の哲学の違いに愕然としつつ、わが国の在り方に一抹の誇りを感じたのもまた事実だ(欧米は無償の援助が中心で、日本は低利の円借款が中心。また、後者は、欧米は事前の審査より事後の訴訟が大事で、日本は事前に綿密に審査。詳述はしないが、本質的には哲学の違い)。

色々違って、それでいいではないか。日本的民主主義のあり方の再確認・整理、そして発信が求められていると思う。

2)日本的経営・経済システムの整理
「和をもって貴しとなす」式の上記の日本的民主主義のあり様とも一部重なるが、わが国を彩る一つの特徴は、「長期」「サステイナブル」ということだ。日本の天皇家はギネスブックが認める現在まで続く最長の王朝であるし、現在も続く世界最古の企業である金剛組をはじめ、わが国は長寿企業が多い。もちろん、平均寿命の長さでも世界に冠たる社会である。

アフター・コロナの世界では、感染症リスクはおろか、震災や洪水といった自然災害、戦乱、その他の地球環境問題など、様々なリスクをより鋭敏に意識することになることは間違いないと思われるが、従業員を大切にし、有事に備えて現金を厚めに保有する日本的な経営は良い意味で見直されてくる可能性が高い。

半年前には、やれROEだROICだと指標を掲げ、内部留保を積み上げている日本企業の効率がいかに悪いか、ということを論難していた有識者が、コロナ禍の後、手のひらを返したように「キャッシュ・イズ・キング」(現金が死活的に大事)と語っているのを見ると、滑稽ですらある。勢いに乗って攻め立てるのは苦手でも、不況が長引いた場合の持久戦に強いのは、もちろん、日本的経営だ。

そして、冒頭に述べたとおり、メディアの極端な報道もあって、国民による政府への信頼は過度に低く感じるが、本来は、日本社会の基礎には相互の信頼があり、そのことが取引その他のコストを大幅に下げていて、経済的にも極めて効率の良い社会を作っているとも言われる。わかりやすく言えば、落とした財布が返って来ることを高確率で期待できる社会と、つねにスリに会うリスクを考えなければならない社会では、活動コストもサステナビリティも大きく違うのは当然である。

こうした日本的経営・経済システムの在り方や再確認、そして発信もまた重要なのではないだろうか。

3) 大胆なテクノロジー導入(例えば「遷都(首都機能移転)」を起爆剤に)
コロナ禍の影響で、テクノロジー導入が世界的に飛躍的に進み、世界を一変させつつあることは、上述のとおりだが、では、そうした世界的潮流の中で、日本では具体的にその実装をどのように進めれば良いのであろうか。1)マクロレベル、2)自治体等の地域レベル、3)産業レベルの三つの観点から略述したい。

まず、マクロレベルだが、別所(JBpress)で詳述したとおり、テクノロジー導入に向けた本格投資の大きな流れを作るため、遷都をするのが良いと考えている。現実的には、まずは、若手政治家のホープの一人である小泉大臣が率いる環境省を那須塩原のようなところに移すのが良いのではないか。新型の最先端のインテリジェント・ビルを象徴的に建てることは、単なる箱物向けの投資ではなく、いわゆるワイズ・スペンディング(賢い支出)にもなるし、地方創生(政府が進めるいわゆるスーパーシティ構想も含む)や働き方改革の文脈にもつながる。もちろん、感染症や震災といった事態に備えたリスク分散にもなる。

保守的国民性で、なかなか大胆な改革が進みにくいこともあり、コロナ後はこうした思い切った施策が必要となろう。

二番目の自治体等の地域レベルであるが、観光地におけるテレワーク拠点の設置や、先述の教育・医療などを皮切りとした住民向けの諸サービスにおけるテクノロジーの導入をどんどん進めることが重要であろう。特に国立公園・温泉地の活用などを中心とした前者は、小泉大臣率いる環境省が非常に熱心であり(3月末に、上記の「遷都論」の論考を読まれた小泉大臣から連絡があり、二人で意見交換をしてきたが、特にこの点熱心でいらした)、緊急経済対策にもV字回復局面の策として記載されている。

その他、現在、コロナ禍の広がり・長さが見通せない中で、次々に自治体レベルでのイベントが中止や延期に追い込まれているが、例えば、花火大会・夏祭りなどのイベントを極力、バーチャルに楽しめる施策を考えるべきである。5Gの世界はVRやAR(仮想・拡張現実)の導入が格段に進むとされているが、こうした部分も含め、決断力のある自治体とそうでない自治体の格差がますます開いていくことになるであろう。

最後に三番目の産業レベルである。正直、ここは、私もまだ綿密な調査や検討が進んでいるわけではないが、現時点での仮説を略述しておきたい。

まず、一般論として、米国西海岸やテキサスなどに集結する最先端のテックカンパニーや中国の深?等のスタートアップベンチャー企業の猛烈な動きを見るに、一般論として、日本の産業界が、いわゆるICT系技術の導入で世界のトップに立つことは容易ではない。

もう少し丁寧に書くと、アフター・コロナの働き方・幸せの在り方との関係の深い効率化技術との関係では、例えば、量子コンピューター、人工知能、VRやAR、フィンテックなど、様々な分野が考えられるが、正直、その中での更なる詳細(ニッチな分野)は別として、大きく、これらで世界を日本の産業がリードできる感触は持っていない。日本の活路は、テクノロジー×X(エックス)のところ、即ち、掛け算の対象としての得意分野を戦略的に同定することではないかと感じる。

具体的には、素材や工作機械といった製造業の土台をなす分野、食・アニメ・建築などのいわゆるクリエイティブな分野などである。この点についても、かつて、JBpressに詳述したことがあるので、詳しくは参照していただきたい。

4月15日にオンライン形式で実施した「青山社中フォーラム」のゲストは、私の大学同期にて敬愛するAI(人工知能)の研究者である松尾豊東大教授であったが、対談セッション等で非常に印象に残ったのは、AIが発達すればするほど(社会に実装されればされるほど)、「複雑なものを複雑に」、すなわち、「複雑なままに、そのまま伝え、そのまま実装する」ケースが増えて行くということであった。有名なオッカムの剃刀というテーゼ(ある事象を説明する際に、仮定は少なければ少ないほどいい)も援用しつつ、こうした「合理主義・効率主義」的考え方が、AI全盛期には減退するのではないか、というのが松尾先生の主張である。

「あいまい」というのは、どちらかというと、ネガティブなイメージを含む日本語であると思うが、むしろ「あいまい」なことを誇りに、複雑なことを複雑に実現する社会を作って行くことが、今後の我々の使命かもしれない。

かつて、ノーベル文学賞を受賞した大江健三郎氏の受賞スピーチは、「あいまいな日本の私」であった。大江氏の政治的主張には多々同意しかねる点があるが、敢えて氏のスピーチをもじって、今後あるべき方向性を表現すれば、「あいまいな日本を誇り、作る私」ということになるだろうか。

青山社中の年度は5月にスタートします。今年は、11月に10周年を迎える記念すべき年となります。そんな年度の第一号のメールマガジンのエッセイということで、ちょっと気合が入り過ぎてしまいました。最後まで読んでいただいた方には心から感謝します。

 
筆頭代表CEO
朝比奈 一郎
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2.トピックス
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<1> ラストチャンス!青山社中リーダー塾第10期生の申込締切は5月3日(日)まで!

新型コロナウイルス感染拡大により緊急事態宣言が発令され、
私たちの「日常」は大きく変わってきています。
このような状況だからこそリーダーシップが必要と
感じられている方が多くいらっしゃるのではないでしょうか。

有難いことに、今年度はこういった時世も相まって、
3月中旬に開催した説明会を除くとほぼすべての説明会をオンラインで開催したにもかかわらず、経営者、コンサル、学生など、10期は既にお申込いただいている方でも多彩なメンバーでの構成となりそうで、いまからワクワクしております。

もしまだ悩まれている方がいらっしゃいましたら、
自らが「大局観」を持ち、「変革者」となるその一歩を踏み出してみませんか?

なお、現在募集中の青山社中リーダー塾第10期ですが、
政府からの新型コロナウイルス感染拡大のための緊急事態宣言発令
都からの要請を踏まえ募集日程を下記の通り変更することとなりました。

<現状>
++++++++++
◯書類締切り:4月19日(日)

◯選抜面接:原則4月23日(木)~27日(月)のいずれか

◯選考結果連絡:5月1日(金)

◯受講料振込み:5月15日(金)
++++++++++

↓ ↓ ↓
<変更後>
++++++++++
◯書類締切り:5月3日(日)

◯選抜面接:原則5月7日(木)~11日(月)のいずれか

◯選考結果連絡:5月12日(火)

◯受講料振込み:5月19日(火)
++++++++++
開講日については、5月23日(土)で変更ございません。
※今後の状況次第で、スケジュールや実施方法に変更が生じる
可能性があります。予めご了承ください

■青山社中リーダー塾とは
「国や社会のことを考え、変革に向けた行動を起こすことができる人材を育成する」を目的に、激動の時代を切り開き、世界へ通用する能力を身に付ける少人数制のリーダー養成塾です。原則20代・30代を対象とし、現場で実践中の塾頭の朝比奈が原則1人で教育を行い、リベラルアーツ×ディスカッションを通して実践力を養います。

■朝比奈がリーダー塾参考文献を「ブックカバーチャレンジ」でご紹介
好きな本を1人1冊、7日間SNSで投稿する「ブックカバーチャレンジ」にて、朝比奈がリーダー塾で使う参考文献などを中心に紹介しています。

参考文献のご紹介・解説はこちら

▼リーダー塾詳細はこちら

▼少し話だけでも聞いてみたい…という方はこちら

▼説明会動画はこちら

▼お申込はこちら

<2> 4/15(水)青山社中フォーラムVol.49にて東京大学 松尾豊教授がご登壇
4月15日(水)、
49回目を迎える青山社中フォーラムで、
「人工知能の未来 -ディープラーニングの先にあるもの- 2020年代、人工知能はどこまで行くのか、日本人はどう生きるべきか」というテーマで
東京大学の松尾豊教授にご登壇いただきました。

松尾教授のご講話は、
AIやディープラーニングの現状と課題、
そして今後の動向について概括的にご解説いただいたほか、
私たちがイメージしやすい具体的な事例を多数織り交ぜていただいたことで、
本当に1時間と思えないほど内容の濃いものでした。

また終盤には
参加者の皆さまからいただいた多くの質問のほか、
朝比奈とも対談をさせていただきました。

今回は初のオンライン開催でしたが、
青山社中では今後もウィズコロナ時代でも学びを最適な形でご提供できるように、
尽力してまいります。

<3> 朝比奈が日本GR協会の理事に就任
朝比奈が、
「地域課題解決のための良質で戦略的な官民連携の手法
(GR:ガバメント・リレーションズ、Government Relations)」の必要性を「広めること」、成功事例や失敗事例を「学べること」、
プレイヤー同士がセクターを超えて「繋がれること」を目的に設立した
日本GR協会の理事に就任いたしました。
http://graj.org/flow/

▼「日本GR協会」Webサイトはこちら

各自治体のコロナ対応策をまとめた「コロナ対策 自治体最前線」を4月23日に公開されています。
http://covid19.graj.org/

<4> JBpressに” コロナを機に変わる価値基準、日本的経営の再評価も”のタイトルで朝比奈の論考が掲載

4月30日(木)、
JBpressに朝比奈の論考が掲載されました。

” 新型コロナウイルスがなぜ「戦後”最悪”の危機」であるかや
現在の政府のコロナ対策・動きについて述べた上で、
ウィズコロナ、アフター・コロナの社会はどうなるのかについて
朝比奈が持論を展開しております。

“コロナを機に変わる価値基準、日本的経営の再評価も”
記事はこちら

<4> アカデミーヒルズにて朝比奈の論考が掲載
ビジネスパーソンを対象とし、
年間に約100本程のセミナー・イベントを開催している
アカデミーヒルズが配信するメルマガ・Webサイトにて
朝比奈の論考が掲載されました。

“ピンチの時こそ、変革者が出てくるチャンス”
※今考えるべきこと「明日への提案 – 逆境を越える」企画内
記事はこちら

ピンチの時こそ、変革者が出てくるチャンス。
今だからこそ、日本人一人一人が、真剣にアフター・コロナを考え、議論し、行動することが必要であると朝比奈が私見を述べております。

<5> 青山社中に新メンバーがジョイン
5月1日(金)に、竹内ともに政策事業を担当する伊藤が
青山社中に新しいメンバーとして参画します。
※新年度にあたり、青山社中は体制変更を行います

一層パワーアップした青山社中で、日本を元気にするべく邁進してまいります。
引き続きご指導のほどよろしくお願いします。

<6> 政策支援担当の竹内が北海道大学公共政策大学院の公共政策学研究センター研究員に就任
政策支援担当の竹内が2020年4月より
北海道大学公共政策大学院、公共政策学研究センターの
「公共政策学研究センター研究員」に就任しました。
サイトはこちら

公共政策大学院に附属して設置された公共政策学研究センターは、大学院(公共政策学連携研究部)における研究推進の要として、様々な研究活動やプロジェクトを展開しています。

<7> BBTch番組にビービット代表取締役遠藤直紀氏が出演
朝比奈が講師を務めるビジネスブレークスルーチャンネルの講義
「社会変革型リーダーの構想力」のゲストとして、
ビービット代表取締役遠藤直紀氏をお招きし、講義を収録しました。

本講義は2020年4月22日(水)に配信しております。

ご視聴はこちら

<8> 「ぬまた起業塾」が説明会参加者・入塾希望者を募集
朝比奈が塾頭を務める「ぬまた起業塾」(7月開講)は、
説明会参加者・入塾希望者を募集しています。

群馬県沼田市での起業家養成が目的ですが、
お住まいの場所に関わらず、起業や事業承継、第二次創業など
積極的に考えている方が対象です。

詳細はこちら

<9> アゴラに朝比奈の論考が掲載
2020年4月1日(水)、
言論プラットフォーム「アゴラに朝比奈の論考が掲載されました。ぜひご覧ください。

“コロナ後の世界をどう見るか:危機を契機に日本人が「始動」することを期待”
記事はこちら

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3.青山社中からのお知らせ
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<青山社中体制変更につきまして>
より需要が高まる政策支援事業のさらなる拡大のため、政策支援事業チームの体制変更を行います。

1. 竹内が取締役に就任
2. 森原が本籍をBCGに移し、業務委託として社中と連携
3. 伊藤が5月1日より入社

新年度からは、
中核事業の1つである政策支援事業のさらなる拡大に尽力してまいります。

新型コロナウイルス感染拡大防止のための在宅勤務実施につきまして>
青山社中株式会社は、政府の緊急事態宣言や小池都知事の会見を受け、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、3月27日(金)より当社のすべてのメンバーとステークホルダーの皆さまの安全に配慮し、当面の間原則在宅勤務(フルリモートワーク)を行っておりますが、原則在宅勤務の期間を5月6日(水・祝)まで延長いたしました。
(今後につきましては、事態の収束状況を見ながら随時お知らせしてまいります)

詳細はこちらをご覧ください。

お取引先、受講生、関係者の皆様におかれましては、
大変ご迷惑をおかけしますが、
何卒ご理解を賜りますようお願い申し上げます。

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4. 採用情報 2020年度インターン生の募集を締め切りました
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現在勤務中のインターン生の卒業・就職に伴い、後任を募集しておりましたが、
教育・政策事業担当のインターン募集を締め切りました。

熱意ある数多くの皆さまからのご応募、誠にありがとうございました。

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5. 青山社中リーダー塾通信
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*青山社中リーダー塾/教育・コミュニティ構築事業 (担当:4期生村上)

【リーダー塾 卒塾生からのコメント】
株式会社hoppin 代表取締役 滝沢頼子さん【リーダー塾1期生】

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UXコンサルのビービットに新卒で入社し、二回の中国での勤務、三回の転職を経て、2019年に中国ビジネス視察ツアーの実施を主とする会社を起業しました。

行って見て終わり、ではなく、ご参加者様のビジネスに活かせるような学びがあるツアーを強みとしております。
現在は中国への渡航はできない状況ですが、コロナ収束後の中国視察や、中国のデジタル事情にご興味のある方は、弊社サイトもしくはtwitterからお気軽にご連絡ください。オンライン勉強会なども実施しております。
https://hoppin.co.jp/
https://twitter.com/takiyori0608
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*NPO法人「地域から国を変える会」(リーダー塾生が立ち上げた団体です。事務局長:1期生大山)

【新潟県三条市】
本会で運営支援を続けている「職業訓練施設しただ塾」について、2020年度は夏開講を実施せず、秋開講の観光アウトドアコースのみを開講することとなりました。なお、社会情勢が変化する中、これまで以上に卒塾後の塾生の進む道のケアが重要であり、三条市内の企業とのマッチングを強化し、就職に限らず、後継や第二創業などの人手としてしただ塾生を活用することを目指します。

【群馬県安中市】
運営改善支援を行っている安中市の「碓氷峠鉄道文化むら」は、緊急事態宣言下、休業を余儀なくされました。しかしながら、運営スタッフではこの機会に解説文の改善やスタッフのキャリアアップを図り、屋外展示施設としての強みを今後発揮できるよう準備を進めています。
バージョンアップを図っている「碓氷峠鉄道文化むら」に是非ご注目ください
https://www.usuitouge.com/bunkamura/

*一般社団法人「日本と世界をつなぐ会」(リーダー塾生が立ち上げた団体です。事務局長:7期生水野)

【新潟県妙高市】
朝比奈が地域活性化アドバイザーを務める妙高市において、令和2年度のご支援を開始いたしました。
令和2年度からは、夏に開催を予定している官民連携プラットフォームの実施に向けて、オンラインベースでの議論を重ね、プログラムの検討を進めました。

妙高市では、この4月よりスマートCity推進グループが設置され、テクノロジーを積極的に活用しながら、新しい行政の在り方を探る取り組みも推進されており、同時に市内の地域課題の解決に向けて、都市部のテクノロジーに精通した企業と市民/市内事業者、市役所の協働で検討に取り組むプログラムである「みょうこうミライ会議」の準備を進めております。
弊社も、都市部企業へのアプローチやプログラムの構築等、全面的に支援を行っており、まず第一回の本年度に本取組が成功をおさめられるように、引き続きご支援をしてまいりいます。

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6.青山社中のメディア掲載・講演等のお知らせ
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<4月の実績>
・4/1 言論プラットフォーム「アゴラ」にて朝比奈の論考が掲載
・4/22 株式会社ビービット代表取締役遠藤直紀氏をゲストにお招きしたBBT ch「社会変革型リーダーの構想力」が放送
・4/23 アカデミーヒルズにて朝比奈の論考が掲載
・4/30  JBpressにて朝比奈の記事が掲載

<2020年5月の予定>
・5/上旬 言論プラットフォーム「アゴラ」にて朝比奈の論考が掲載予定
・5/中旬~下旬 JBpressにて朝比奈の論考が掲載予定

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7. 広報note更新のおしらせ
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<広報note更新>
東京大学 松尾豊教授にご登壇いただいた青山社中フォーラム開催レポートを
広報noteで公開しました。
記事はこちら

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8.編集後記
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在宅ワークを始めて約1ヵ月が経ちました。
(このメルマガも自宅で編集作業をしています)

最初は家での勤務環境が整っていないことや
制限がある中での行動でストレスを感じることもややあったのですが、
「外出できない」「友人と会うことができない」の「ない」に目を向けてばかりいるのではなく、通勤時間がなくなり、以前に増して「在宅時間」が増えることで、
どうやったらより家で「楽しく過ごせるか」や、
仕事でも「オンラインだからこそできることはないか」を模索するようになりました。

こうやって自分のパラダイムを少し変えるだけで、見えてくる世界は変わると考えています。
(そして朝比奈も論考で私見を述べていますが)ウィズコロナ、アフター・コロナ時代をどう生き抜くか…。私も併せて考えていきたいと思います。