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Vol.71 ハロウィンに考えるPRの力と小池政治塾

「関連市場の規模で、ついにバレンタインをハロウィンが抜いた」というニュースが目に飛び込んできた。渋谷などを中心に若者の間で大変な盛り上がりを見せつつあるらしい。

「自分の頭で考える」ことをモットーとする少年だった私は、幼少の折から世間の喧噪に対しては、一貫して「ひねくれ者」であった。従って、詳しくは知らないながら、「ハロウィンとは、秋の収穫を祝い、また、死者の霊を弔ったり悪霊を追い払ったりする機会であって、“変身をする機会”ではないのでは?」などと、今でも思ってしまう。
「抜かれた」バレンタインについても、「女子から男子にチョコを贈って愛を告白するなんてのは、日本だけの珍しい形態で、別にチョコでなくとも、敢えてこの日に告白せずとも良いのでは?」と冷ややかに見続けている。
それでも、やはり雰囲気とは恐ろしいもので、レアケースながら、1度でも2月14日に気持ちのこもったチョコを有難くも拝受したりすると、その後も数年、そわそわと当日を待ってしまった甘酸っぱい思い出もある。今でも、義理チョコを「今年は○個いただいた」とほくそ笑んだり、逆に嘆き悲しんだり、実は気持ちは十分に「染まって」いる。
ハロウィンにしても、主宰しているリーダー育成塾の塾生たちがパーティをするというので「朝比奈さんも必ず仮装してきてください」などと言われたこともあるが、最終的には塾頭としての威厳を保つという大義名分をかざして、普段通りのブレザー姿で参上したものの、比較的真剣に直前まで、「うーむ。やはり戦国武将かな、いやいや、そこは青山社中だし龍馬かな」などと悩んでしまった過去を告白せざるを得ない。
私に限らず、「ハロウィンの仮装騒ぎは、若者を中心とした一過性のもので、世代を超えては広がらないだろう」と見る向きなど、冷めた意見もあるようだが、バレンタインのチョコ儀式も、元々は小学校などの一部での流行が大人にまで広がったと言われている。
本家・本来の意味・意義とは違う「日本での発展形態」についても、「模倣に始まって、本家以上の価値にしてしまう」という製造業・アニメーション技術・ラーメンその他で日本が得意としてきたパターンの繰り返しかもしれない。やはり「クール・ジャパン」は凄いと考えることも出来る。もちろん、その陰には仕掛け人(組織)がいることも少なくない。実際に、バレンタインについては製菓メーカーの影を感じなくもないし、日本発とも言えるコスプレ消費文化を世界に広める上で、ハロウィンを格好の機会と捉えている若い野心家も既にいるようだ。
いずれにしても、ハロウィンやバレンタインを見ていると、本来の中身云々よりも、そのイメージの浸透力、それを支えるPR(public relations)の力、というものの凄さ・迫力を改めて意識せざるを得ないことは確かだ。
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さて、今年のハロウィンに際して、一つの話題を奪ったのが「リボンの騎士」に扮した小池百合子東京都知事だ。その選択は、昨年の「魔法使いサリー」時からの「公約」ではあるようだが、あたかも「都政の闇」を剣で断ち切ることをイメージさせるコスプレは、さすがのPR力を感じさせる。
個人的には、霞が関改革を若手官僚として推進していた際に、当時環境大臣だった小池氏の知遇を得たが、お願いもしていないのに、自分たちの著書の書評を好意的に書いてくださったり、ご多用中にも関わらず主宰していたプロジェクトK(新しい霞ヶ関を創る若手の会)のイベントにゲストとして登壇してくださったり、大変お世話になった。その際、大変に印象的だったのが小池氏のPR力である。
環境大臣時に推進した「クールビズ」が典型だが、小池氏の発信力、PR力・浸透力は、普通の政治家や官僚には真似できない凄さがある。昔から、「省エネだ!冷房の設定温度をできるだけ上げよう!」などと言いながら、真夏にネクタイを締め、上着持参で働くことは、どう考えてもオカシイと、霞が関官僚を始め、多くの人が思っていた。かといって夏の軽装は全く普及せず、「服装の乱れは気持ちの乱れ」などと言われる中、例えば総理にもなった羽田孜氏が半袖のスーツを着て軽装を訴えてもまったく浸透しなかったりして、ほんの10年前まで無理なことだと考えられていたことは記憶に新しい。
そこに、小池大臣の仕掛けもあって、格好良い「クールビズ」が登場し、しかも、環境を守ると言う大義も重視されるようになり、ネクタイなしの夏の軽装が大いに浸透した。当時の「チームマイナス6%」などという標語を思い出す方も少なくないと思う。もちろん、PR力には、「PR会社の有効活用」も入るわけだが、つまるところ、メディア出身でもある小池氏は、かつても今も、「発信・PR → 浸透」に長けた政治家であると言えよう。
そんな小池氏の政治塾に、5000人近い応募があり、最終的に、5万円(女性や学生は1~2万円割引)を払って3000人近くが入塾したと言う。資金集め・PRという意味では、これ以上ないスタートを切ったといえ、都議会自民党への牽制としての威力は現時点では十二分に発揮していると思う。さすがは、PRの女王である小池氏の面目躍如だ。
ただ、本来、政治「塾」で重視されるべきは、そのPR力というよりは、どんな内容で何を教え、どんな人材を育成するかだ。おそらくはPR戦術もあって、メディアでは、「政治塾」と言われるが、小池百合子政経塾(希望の塾)が正式名称だそうで、2時間×6回にわたって、経済のことなども学ぶカリキュラムのようだ。(ちなみに、もしかすると意識した知れない松下政経塾の「経」は、経営の意味だとされている。)
資金面・人材面で小池新党をチラつかせ、都議会自民党の譲歩を迫るための「見せ球」としての集団に終わるのか、しっかりとした教育を行い、塾生間のネットワークを構築する基盤に転化するかは、これからの動きが鍵だが、同じく「塾」を運営する者としては、雲散霧消してしまった「維新塾」のようなPRだけでなく、後者も意識していただきたいと心から願う次第だ。
というわけで、小池塾について、ハロウィンやバレンタインを前に違和感を抱いた私の「ひねくれ魂」が再び首をもたげてしまったわけだが、コスプレの騎士ではなく、真の改革の士が、幕末の混乱期同様に、各種の塾から一人でも多く生まれることを願っている。
筆頭代表・CEO
朝比奈 一郎
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<1> 青山リーダーシップ公共政策学校
      政治・行政編が11/2 (水)よりスタート
   ~11月1日(火)お申し込み締め切り~
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青山社中リーダーシップ・公共政策学校「政治・行政編」がスタートします。

担当講師は「政治・行政編」の担当講師は政策研究大学院大学の竹中治堅教授です。
(大蔵省出身、スタンフォード大学政治学部博士課程修了)

現代日本における政策形成への理解を深めたい方に適した講座であり、日本の統治システムの特徴から、行政組織のあり方、第二次安倍政権の下における政策決定過程までを学ぶことができます。

今年は特に受講生の皆様の議論が活発です。
国や社会を改めて俯瞰しつつ、他流試合で新しい視座を獲得する場として活用されてはいかがでしょうか。

また、5講座以上の受講の場合「受講料20%オフ」となりますので、是非セット受講も合わせてご検討ください。

お申し込みページ
※政治・行政編またはセット受講 お申し込み締め切り:11月1日(火)

講師、スタッフ一同、皆様と共に学べることを心より楽しみにしております。

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<2> 「四国リーダー塾」が終了
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約半年間(7月より全5回)にわたって朝比奈が塾頭として講義を行った「四国リーダー塾が終了しました。

四国生産性本部からのご依頼で、リーダーシップ基礎理論、伝記、文化文明、国家の盛衰などの講義を行い、最終回には具体的な政策テーマを受講生(大王製紙、高松市役所、香川銀行、四国ガス、穴吹など四国の企業の若手達)からプレゼンを頂きました。

四国の将来を背負って立つ受講生達が、リーダーとして地域に変革を起こしていくことを期待しています。

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<3> 青山社中後援隊の集いを開催
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青山社中後援隊」は、青山社中の理念・事業に賛同し、活動を後援頂ける方々による会員組織で、会員の方には、講演会・シンポジウムなどへの優先参加、会員同士の交流会の開催など、各種特典をご用意しております。随時、入会することが可能です。

9/30に青山社中後援隊のメンバーが集まり、筆頭代表CEOの朝比奈と共同代表COOの遠藤より「青山社中の全体像と今後の方向性」について報告をさせて頂いた後、懇親会を行い、会員同士で交流を深めました。

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<4>  朝比奈が一般社団法人TagFITの理事に就任
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TagFITは海外から日本に来る旅行客に、日本語の文字情報、例えばレストランメニュー、空港やタクシーの案内等にQRコードを発行し、QRコードの読み取りによって、翻訳された情報を提供します。

「言葉のカベ」を取り除き、海外からの旅行者の方により良い日本を知って頂くための社会インフラ作りに今後取り組んでいきます。

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<5>青山社中リーダー塾通信
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*青山社中リーダー塾 4期生 大手商社勤務
私は今年4月より中国 上海に駐在しており、国庆节の長期休暇を利用してチベットの地を訪れていた際に、本原稿の依頼を頂きました。チベットでは、仏教の影響力が依然として強く、町中に熱心に祈りを捧げる仏教徒達が見られる一方、政府より漢民族の移住が推奨されたことにより同化政策が進み、経済は急速な発展を遂げていました。現地ガイドの話によると、近年急激に外の文化が入ってきたことや得られる情報が限定的であることから、人々の価値観にも少しずつ変化が生じているようです。

チベットの例は特殊なものになってしまいますが、人は周囲の影響を受けやすいものです。変化する環境の中で、自身の価値観を見失いがちで、自分の足でしっかり立っているつもりでも、多かれ少なかれ周りに流されてしまう。何が正しいかということより、自分の大切な価値観、根っこにあるものは何か自問自答し、大切にする必要がある、そんなことを感じた旅でもありました。

私が青山社中リーダー塾に通ったのは社会人一年目のときです。社会人として働き始めた後、多くの事を学ぶ事が出来た反面、学生の時に感じていた「将来、何かを成し遂げたい」という思いが、急に青臭く、恥ずかしいと感じられるようになっていました。また、忙しい事自体に充実感を感じ、近視眼的になりがちで、恥ずかしながら今が良ければそれでいいと感じる事も多々ありました。

そんな中、リーダー塾の講義を通して、職業、年齢関係なく、色んな背景を持った方々と共に、歴史、経済、社会問題等の様々なテーマについて議論する中で視野を広げ、自分は死ぬまでに本当は何を成し遂げたいのか、改めて考えるきっかけになりました。どんなに青臭い事でも包み隠さず、熱く語り合える仲間ができた事は私の大きな財産であり、また「大局観をもつことの大切さ」、「リーダーシップには地位や年齢は関係ないこと」、「小さな信頼を積み上げることの大切さ」等々の朝比奈塾頭の教えは日常のあらゆる場面で思い出され、私の指針となっています。

座学編が終わり、実践編が始まったこれからが本当の勝負であると実感しています。私が将来成し遂げたい事の一つには、地元の故郷に恩返しをすることがあります。高齢化が進む町、小さな頃から参加している伝統的な祭りに活気が無くなりつつある様子を見ると何とかしたいという気持ちが自然と湧き出てきます。一朝一夕に何か大きい事を成し遂げることはできませんが、自分にもできる事を見つけ、今後小さな行動を一つずつ積み重ねて行きたいと考えています。少しずつ貢献していく過程の中で自らも成長し、これからの自身の道を見つけていきたいと思っています。

*NPO法人「地域から国を変える会」(リーダー塾生を中心に立ち上げた団体です)

【新潟県三条市】
おかげさまで滞在型職業訓練施設「しただ塾」には、全国各地からご応募をいただき、最終的に5名が入塾、10月25日に開講式を迎えました。この取組みは、「移住+入塾」という大きな決断をしていただくプロジェクトでしたので、塾生の募集活動は長期間にわたりました。塾生への説明・理解を何度も重ね、多くの関係者の皆様の協力・ご紹介を得まして、定員に達することができました。見知らぬ土地への移住という勇気ある決断をしていただくため、カリキュラム・コンセプトも魂を込めて作成いたしました。
これから運営・実施段階に入っていきます。様々な塾生と接し、単に移住促進策と片づけると無機質ですが、それは人間一人一人の人生を預かる事業であることを実感しました

日本仕事百貨「しただ塾」紹介記事

三条市役所「しただ塾」紹介ページ


*一般社団法人「日本と世界をつなぐ会」(リーダー塾生を中心に立ち上げた団体です)

「燕三条貿易振興会」の主催で2月にホーチミンのイオンモールビンタン店でテストマーケティングを行うため、燕三条地域の企業を募集活動を行いました。製品と市場との相性や通関手続きなど、日本の高付加価値製品を海外に展開する際の課題はありましたが、三条市や三条商工会議所等のご協力もあり、ハンドツール系の商品を中心に並べ、実施に向けて事業を進めていくことになりました。ファミリー層を中心に非常に集客力のあるイオンモール (ビンタン店には初日に約18万人が来店)で商品の販売可能性を調査し、海外展開の一助になればと思っております。

また、11月には中国の内陸都市(成都・重慶)へ視察に伺い、三条市製品の販路開拓可能性を調査する予定です。JETRO成都事務所、成都イトーヨーカドー、在重慶日本国総領事館、四川省人民政府などへ訪問予定です。

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<6>青山社中のメディア掲載・講演等のお知らせ
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<10月の実績>
・10/1 東京新聞にて記事掲載 (朝比奈)
題名:安保法決裁「5月0日」 TPP誤記 審査の形骸化 問題 識者に聞く

・10/7 BBTチャンネルの講義を「株式会社和える」の矢島里佳さんと収録 (朝比奈)
題名:社会変革型リーダーの構想力

・10/11 土浦青年会議所講演にて講演 (朝比奈)
題名:青年に必要な力は指導力より「始動力」~誰にでも必要な真のリーダーシップ~

・10/18 四国リーダー塾にて講義 (朝比奈)

・10/19 フジサンケイビジネスアイ「高論卓説」にて記事掲載 (朝比奈)
題名:「夫婦控除」という欺瞞 子供の数に応じた制度こそ本質

・10/20 トライセクターリーダーシップ講座にて講義 (朝比奈)

<11月の予定>
・フジサンケイビジネスアイ「高論卓説」にて記事掲載 (朝比奈)