メールマガジン

Vol.55 人事異動 ~別れと出会いの6・7月~

起業してずいぶん経った気がするが、実は4年半前まで役人だったこともあり、6月~7月という時期は、未だに人事異動の空気を感じて落ち着かない。中央省庁の人事は、省庁ごとの多少の違いはあるが、一般的にはこの時期、大きく動く。実際、時節柄、霞が関にいる知人と話すと、幹部や自身の異動についての話題が多い。

霞が関の人事異動がこの時期に行われることについては諸説あるが、一般的な説明は、国会対応との兼ね合いで、通常国会の会期が終わる頃(6~7月頃)に幹部等を異動させるため、その前から徐々に、係長、課長補佐、課長人事などが実施されていくというものだ。

その年の国会の状況などにもよるが(今年は例年にない規模での会期の大延長が行われる)、概して、この時期は「大人事異動」の季節であることは間違いない。国益的にはどうかと思うが、日本の死命を決したとも言えるミッドウェー海戦(6月)の直前ですら、海軍の大人事異動が行われ、皆、慌てて新部署で訓練をしたと言われている。国家公務員にとって、人事異動は、士気との関係などから死活的に重要なイベントだ。

個人的にも、人事異動の結果、仕えるのがとても大変な上司が異動して、ものすごい解放感に浸った思い出もあれば、逆にやり残した仕事に後ろ髪を引かれる想いで次の部署に異動したこともある。ともあれ、6~7月は、霞が関官僚にとっては、お世話になった上司や部下との別れの辛さ、或いは新しい部署での出会いに、心が大きく揺れ動く時期である。

「朝比奈のエッセイは、いつも政治や行政ばかりがテーマで、ちょっと偏っているのではないか」との感想が、遠慮のない友人からたまに寄せられる。政策シンクタンクも標榜している青山社中のメルマガのエッセイなので仕方がないではないか、と基本的には開き直っているが、ただ、今日は、後述するように、ちょっと感傷的な気分でもあるので、冒頭の人事異動という「別れと出会い」をテーマに、政治・行政から離れて、人気バンドであるMr.Children(ミスチル)について書いてみたいと思う。先日、NHKのSONGSという番組での彼らの特集を見て非常に感動してしまったからだ。

私は、デビューしたてと言っていい92-93年頃から彼らのファンで、初期の歌は、カラオケでほとんど歌詞をみないでも歌えると思う。余談だが、『Cross Road』や『Tomorrow Never Knows』は、今でも興に乗ると良く歌う。個人的には“Kind of Love”というアルバムが気に入っており、おそらく恋愛ソングの定番の『抱きしめたい』が最も有名だが、『星になれたら』や『ティーンエイジ・ドリーム』などは隠れた名曲であると言えよう。

それほどに好きだったミスチルが、私が社会人になった97年に解散説も流れる中で活動を休止した時は、これほどに悲しい「別れ」があるのかと、結構な衝撃を受けて絶望した。そんなミスチルと再会できたのは、その後、復活して、稀代の名曲と言われる『終わりなき旅』を街角でふと聞いた時だった。当時、とても過酷な労働環境の中で、毎日午前2~3時に帰宅して、土日も休めないことが多い状態だったが、珠玉の歌詞との「出会い」は衝撃であった。失恋・恋愛ソングとしては、多分、史上最強だと思われる『つよがり』は、この後出たアルバム“Q”に入っている最高の名曲だ。

しかし、個人的には、2000年過ぎ頃から、ミスチルのサウンドや歌詞に、今一つときめきを感じられなくなっていく。確かに、『HERO』『しるし』『HANABI』など、いくつかの世間的な「名曲」はあるが、個人的には、かつての熱情は完全になくなってしまっていた。この衰退した情熱こそが、ミスチルとの「別れ」なんだろうと、何となく思っていた。

ところが、である。ミスチルが、名プロデューサーの小林武史と別れて、もがき苦しみながら生み出した『足音』や『Starting Over』を聞いて、また、ミスチルを初めて聞いた時のような感動の「出会い」を感じてしまった。何歳になろうと、苦難の道を選んで脱皮し続けようという闘いが呼ぶ「ストーリーとしての感動」もその一因ではあるが、純粋に、歌詞もフレーズも素晴らしすぎる。『Starting Over』 に至っては、大好きな細田守監督の新作映画の主題歌にもなると言う二重の喜びだ。

ボーカルで作詞作曲担当の桜井和寿氏が、自分を投影しながら一人称として叫び続けるミスチルだが、実は、私のように、その一人称を自分事として勝手に投影して感動する人も少なくないと思う。素晴らしい「再会」に感謝している。

中島みゆきの『時代』の歌詞にもあるが、きっと、別れと出会いは一度で終わりではなく、それらを繰り返して、自分なりの「時代」が形成されていくのであろう。個人的に、最近、かなり辛くしんどい2週間を過ごしてきたが、きっとこの苦しみにも出口はあるだろうし、また、カラオケで明るく歌いたいものである。勝利も敗北もないまま、孤独なレースは続いていく。

筆頭代表・CEO
朝比奈 一郎

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<1> 青山社中フォーラムvol.27:ハーバード大学社会科学
名誉教授エズラ・F・ヴォーゲル氏による講演会を開催しました。
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6/11にハーバード大学 社会科学名誉教授のエズラ・F・ヴォーゲル氏をお迎えし、ご講演頂きました。中国の歴史に始まり、中国の指導者である鄧小平と習近平の比較、日本の歴史問題への向き合い方等、日本語で1時間半の間、語って頂きました。参加者からは「日本を客観的な視点で捉えることができた」「世界における中国の事情がよく理解できた」などの感想が寄せられました。参加者は50名を超え、大盛況な青山社中フォーラムとなりました。

http://aoyamashachu.com/news/2015/1579.html

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<2> 朝日新聞の連載記事「フロントランナー」に筆頭代表
CEOの朝比奈が掲載されました。
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朝日新聞の土曜日の連載記事「フロントランナー」で朝比奈が取り上げられました。朝比奈のこれまでの人生を基に青山社中株式会社設立の背景、リーダー塾の特色、今後の目標などを掲載頂きました。

http://aoyamashachu.com/news/2015/1610.html

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<3> 青山社中リーダー塾通信
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*青山社中リーダー2期生 小林 峻

僕は今、気仙沼市にいる。東日本大震災を契機に、この見ず知らずの土地に移住してきて早4年。がむしゃらに走ってきたこの4年、正直自分が何を想い、どんな仕事をしてきたか、つぶさに整理出来ているかと言われると、全く自信はない。そんな折、本原稿の執筆依頼を受けた。少し面倒かな、と思う一方、いい機会になるかもな、とも思い、これまでの自分を振り返ってみることにした。

僕と青山社中との出会いは、全くの偶然だった。たまたま大学時代の友人と、初対面であった彼の先輩と酒を飲んでいた時、その初対面の彼から社中の存在を聞いた。内容自体は正直よくわかっていなかったが、明晰に、快活に話す彼の言葉に惹かれ、足を運んでみることにした。当時の僕は、気仙沼での活動を始めて数か月で、何をやっても空回りの日々。常に何をしたらいいのかに悩み、自分の外に答えを見つけようと常にアンテナを張っていた。そして、偶然に偶然が重なり、2012年の春、第2期生としてリーダー塾に通い始めることになった。何かの答えを求めて、足を踏み入れた。

もともと、リーダーシップや歴史の偉人達には興味があった。読みかじったり、聞きかじったりしていた知識を元に、偉人たちに対して盲信と畏怖の念があった。そんな僕にとって、リーダー塾の講義は魅力的、かつ新鮮だった。偉人たちが歩いてきた道をなぞりながら、彼らに自身を投影していく作業。そこに加えられる朝比奈塾頭の視点と解釈。これまで遠く、紙や画面の中だけの存在だったリーダーたちが、一気に立体的に、身近に感じられるようになった。「彼も人なり、我も人なり」。ただ、この時はまだ、リーダーの本質について、腑に落ちていなかった。自分なりのリーダーシップとは何か?その知識・道具を探していたように思う。

塾終了後の2013年から2014年にかけて、僕にとっては激動の時代に突入する。市内で新たなカフェ兼コミュニティスペースの立ち上げ事業、その現場責任者の任を頂いた。新卒、飲食業未経験、リーダー経験なしの自分。何もかもが新鮮だった一方、常に不安が付きまとう。飲食店運営、イベント開催、その他多岐に渡る業務、現場スタッフとの意思の疎通、何もかもがうまくいかない日々。たくさんの失敗をし、多大なる迷惑をかけ、言い訳と自問自答を繰り返す。そして1年が経った日、解任。すべてがすり減り、嫌になった。徹底的に自分と向き合うことになった、この2年間。そして気が付いた。原因はすべて、自分にあったと。知識や理論ではなく、もっと深いところにある自身の「在り方」。それがすべてを引き起こしていた。

リーダーシップとは、その人の「在り方」である。これが、僕が現在行き着いた結論だ。手段や考え方ではなく、腹の底から自分を信じ、今を真剣に生きる事。使命、志、ミッション、呼び方はさまざまあると思う。自分に誠実に、真剣に応える生き方、生き様。言葉が持っているコンテクストを飛び越えたところにある、力強い何か。そんなことに気が付いてから、ふと講義のメモを見直すと、これまで気が付かなかった宝物がたくさん眠っていた。以前には受け取れていなかった学びが、たくさんあった。

そして、改めて冷静に周りを見ると、そんなリーダーたちがたくさんいるのが、この気仙沼なのだと気が付いた。自分がこの町に居続ける理由が、そこにあった、それにようやく気が付いた。僕は、まだまだここにいたいと思う。

そんな僕は、そのリーダーシップを広げる事をしようとしている。彼らの元で学べる人が一人でも多くなったら、そんな思いで活動している。自分の拙い思いが、実になることを願って。

*NPO法人「地域から国を変える会」
◎青山社中リーダー塾生が中心となり立ち上げた団体です。
【沼田チーム】
かねてよりご案内をしておりました起業家養成塾「ぬまた起業塾」は、おかげさまで約30名の塾生で7月に開講することとなりました。ご紹介・ご協力をいただきました皆様には厚くお礼申しあげます。本会では開講に向けた準備と合わせ、創業支援策の準備を行っています。単なる補助金制度をつくるのではなく、「起業塾」「補助金」「ネットワークづくり支援」「起業家向けオフィス」などの施策がそれぞれ歯車となって、それらが噛み合わさることで、創業環境がつくられていくものと考え、地域一体の取組みにしていきたいと思います。

*一般社団法人 「日本と世界をつなぐ会」
◎青山社中リーダー塾生が中心となり立ち上げた団体です。
<三条企業の海外販路開拓について>
今月は、三条商工会議所にご協力頂き、三条市の企業1960社に対して、海外事業展開への関心や取り組みに関するアンケートを実施しました。結果を基に、今後は海外事業展開に関心のある企業を中心にヒアリングを進め、製品を選定し、海外の消費者への試験的な輸出販売等を行い、取り組みを支援していく予定です。

また、OMOTENASHI Selection (http://omotenashinippon.jp/selection)の運営事業者とも連携を深め、当初予定していた海外市場(香港、ロシア、中国、ベトナム等)に加え、カタール(ドバイ)、台湾なども含めて販売網の拡充を行いながら、三条製品の販売先を選定しています。

<青山社中フォーラムの開催>
6/11に開催された青山社中フォーラムに、ハーバード大学 社会科学名誉教授のエズラ・F・ヴォーゲル氏を、弊会のメンバーが中心となって招致しました。これから社会の中心を担っていく日本の若手・中堅世代に向けて、どのように世界と向き合い、変革を進めていくべきかなど、参考になるお話を頂くために、これからもグローバルに活躍されている著名人をゲストにお招きしていきたいと思います。

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<4>青山社中のメディア掲載・講演等のお知らせ
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<6月の実績>
・6/16 フジサンケイビジネスアイ「高論卓説」6月号にて記事掲載 (朝比奈)
題名:「損して得取る」仲介国家連合目指せ
http://aoyamashachu.com/news/2015/1584.html

・6/18 JA兵庫県信連滝野支店「滝野みのり会」にて講演 (朝比奈)
題名:リーダーシップの本質とは? ~日本を取り巻く諸状況と変革の必要性~
http://aoyamashachu.com/news/2015/1589.html

・6/27 朝日新聞 「フロントランナー」にて記事掲載 (朝比奈)
http://aoyamashachu.com/news/2015/1610.html

・6/30 ビジネス・ブレークスルー・チャンネルの講義を株式会社エスワイティ
浅田代表と収録 (朝比奈)
題名:「社会変革型リーダーの構想力」
http://aoyamashachu.com/news/2015/1622.html

・「ぬまた起業塾」が新聞各社 (東京、読売、産経、朝日、上毛)で記事掲載
http://aoyamashachu.com/news/2015/1593.html