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Vol. 41『アナと雪の女王』から見るクリミア問題

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『アナと雪の女王』から見るクリミア問題

昨日(29日)、対ロシア追加制裁を日本政府が発表した。

米国やEUが一昨日(28日)付で発表した追加制裁に対し、日本のそれは、時期的にも内容的にも「追随」する感じが如実に出ており、この姿勢を巡っては、様々な意見があるところである。

「尖閣諸島問題も控える中、我が国は、米国と歩調を合わせて、『武力を背景とする領土の変更は認められない』というスタンスを明確に打ち出すべきだ」という見解もあれば、「クリミア半島が誰の手に属そうと、個別領土問題としては、正直日本にとってはあまり関係がないわけだから、むしろ日露関係を大切にした方が良いのではないか」という立場まで色々ある。

手元に国内の世論調査等のデータがなく、また、そもそもクリミア問題に対する日本人の関心が一般的には低く、個別に話をした人のサンプル数も極めて少ないので、確実なことは言えないが、日本の世論についての私の印象は、「やはりロシアというのは信頼できず、怖い」「日本は先進国・文明国の一員として米国と歩調を合わせるべき」というものが多い気がする。

確かに、今回もそうだが、一般的に米国のスタンスと言うのは、非常に単純明快な、多分に自己都合を込めた勧善懲悪のストーリー構築に乗っかっているので、多くの人に理解しやすいところであり、利害関係が絡まない第三者(世論)への波及力が抜群だ。

それに対し、特に我が国は、近代以降を紐解いて見ても、ロシアに対しては、日清戦争後の三国干渉にはじまり、終戦時のどさくさ紛れて満州や樺太で筆舌に尽くしがたい悲惨な目にあった経験もあって、一般的に悪感情を有しており、とかく疑いの目で見がちだ。

そろそろ表題の話題作に移らないと読者からのお叱りを受けそうなので、ここでクリミア半島の帰属をめぐる歴史的経緯や、かつてのロシアによるウクライナ向けのパイプライン経由での天然ガス供給停止などについて詳細を述べることはしない。ただ、ことはそう単純な「勧善懲悪」ものではなく、ロシア=悪と簡単に断ずる話ではないと思う。

パーマストンの言葉ではないが、外交には永遠の友も永遠の敵もおらず、あるのは永遠の国益だけである、ということを肝に銘じ、柔軟に考えることが重要ではなかろうか。私は、安倍政権の「微妙なスタンスの取り方」は理解できる対応だと考えている。

4月に予定されていた岸田外相の訪ロ(キャンセル)や、秋に予定されているプーチン大統領の訪日の機会をとらえて、北方領土問題の解決や中国への牽制などを目論んでいた日本政府としては、様々な意味で、「青天の霹靂」とも言うべき事態であることは間違いなく、ある政府高官は「畳をかきむしるようにして悩んでいる」と筆者に語っていたが、今こそ日本版NSC(国家安全保障局)設立の意義を発揮し、まさに地球儀を俯瞰する全方位的な視点でわずかなハンドル操作も間違えないような対応をするべきであろう。

重要なことは、かつて、クリミア戦争(1853〜56年)で欧米列強に余裕がない時に米国(ペリー提督)が日本に開国を迫り、逆に、米国が南北戦争(1861年〜65年)で余裕がない時に、欧米列強、特にイギリスとフランスがそれぞれ薩長等の雄藩と幕府に肩入れする形で、幕末の我が国の歴史に大きな影響を与えたことを思い起こし、本件をいわば「地球の裏側」の出来事として、気を抜かないことだ。できれば国民レベルでも。海外での出来事という意味では、隣国である韓国での悲惨な船舶事故ばかりが注目されているが、実は大いに報道されてしかるべきであろう。
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さて、ようやく話題作の話である。先日、妻子と共に映画『アナと雪の女王』を鑑賞した。世界的な大ヒット作となっており、12億ドルに迫る興行収入で、ディズニー映画としてはこれまでトップの『ライオン・キング』を抜いたそうだ。実際、我が家の近所の映画館に12時頃にのんびり行ったら、既に16時の回がほぼ埋まっている状態であり、慌ててチケットを購入し、何とか空いていた最前列で首を懸命に上にもたげながら5人家族そろって見た次第だ。(厳密には1歳児は寝ていたが)

本作は、3月に、私の大好きな宮崎アニメの名作である『風立ちぬ』をおさえて、アカデミー賞(長編アニメ)を受賞したこともあり、勝手に良からぬ感情を抱いていたが(冗談)、鑑賞して、なるほどと思うことがあった。改めて書くまでもないが「わかりやすさ」「伝達力」が鍵であるということだ。

『アナと雪の女王』の名誉のために書いておくが、『トイ・ストーリー』や『カーズ』シリーズのような、極めて単純なテーマを旨とする作品に比べれば、例えば愛にしても、男女間の恋愛のみならず、姉妹愛、地域愛、自然への愛など、様々な要素を取り入れており、また、ストーリーとしても、ネタバレになるので詳述はしないが、若干意外な展開があったりして、ディズニー映画としては複雑な部類に属すると思う。

しかし、それでも、『風立ちぬ』に比べれば、はるかに単純明快であることは疑いがない。『風立ちぬ』を好意的に見るには、ある程度は、日本や或いは航空機の歴史・文化に根差した機微な理解力が必要とされるが(したがって、分からない人には分からない。私自身もどこまで深く理解しているかは分からない)、まあ、『アナと雪の女王』にはそうした能力は不要だと思われ、文化の違いを超えて、全世界で、膨大な鑑賞者数と興行収入を生み出しているわけだ。

そして、ミュージカル形式を取っていることが「伝達力」を倍増させている。劇、ミュージカル、オペラの類は、私自身はさほど詳しいわけではないが、一般的にストーリーや訴えたいテーマが割と単純であるにも関わらず、歌の力などにより、心に突き刺さるような感動を覚えることが少なくない。ミュージカルの『ライオン・キング』は、NYや東京で何度か鑑賞しているが、冒頭の動物たちが勢ぞろいするシーンは、いつ見ても、わけもなく心が震える。
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映画『アナと雪の女王』に見る「単純明快さ」や「伝達力」から、ふと、クリミア問題を思い、今回の冒頭エッセイを書いたのだが、米国の「分かりやすさ」「伝達力」重視というのは、やはり無視できない力であり、慰安婦問題その他、日本の国益追求や或いは個別企業の事業展開を考える上で、特に米国や世界一般を相手にする場合、極めて重要なポイントであることは疑いない。

ただ、実は単純明快なストーリーをこよなく愛し、ディズニー映画もほとんど鑑賞して、毎度涙している私が、また、米国生活で触れた単純な明るさ、気楽な合理主義の良さを痛感した私が言うのもなんであるが、繊細な「侘び・さび」の国に育った者として、それらが全ての価値ではないとも、同時に想う。

筆頭代表 
朝比奈 一郎

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<1> 青山社中リーダー塾第4期生は募集を終了致しました

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青山社中リーダー塾第4期生(5月開講)募集についての説明会を全て終え、入塾志願につきましても4月20日に締切りました。今年も例年に劣らず気概と志ある若者から多数応募があり、新入塾生との座学編スタートを楽しみにしています。

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<2>  青山社中リーダー塾、学生受講者のための奨学金をクラウドファンディングで募集中 

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困難な時代に立ち向かうリーダー育成のために!!

青山社中リーダー塾では魂に火を付け、自発的なアクションを後押しし、将来の日本を支える人材育成を目指しております。

未曾有の国難の時代にあって、若者が各々のフィールドで大いにチャレンジする機運は高まりつつあります。ただ、高い視点や強い意志を持ち、自らが羽ばたくべき舞台でのアクションに向けて意気込む学生の中には、経済的理由から学びの機会を断念せざるを得ない者もいます。学びや挑戦の意欲の炎を絶やさぬためにも、青山社中リーダー塾の理念に共感頂ける方にご協力を賜る形で、学生受講者を対象とした奨学金募集をさせて頂くことに致しました。

4/2(水)よりクラウドファンディングサイト「Shooting Star」にて、リーダー塾4期生の学生受講者の奨学金募集を開始致しました。

【プロジェクトタイトル】塾頭・朝比奈一郎の青山社中リーダー塾!学生に奨学金を提供、次世代リーダーを育成したい!

支援・ギフト内容詳細についてはこちらから⇒
http://shootingstar.jp/projects/572

【締切】6月30日

—青山社中リーダー塾の理念に共感され、ご支援者して頂けます皆様へ—
国や社会を変えるため、動きだそうとする将来のリーダーたちの飛躍を、共に見守っていただけますよう、よろしくお願い申し上げます。
http://youtu.be/GU7FPI6B0Bc

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<3> 青山社中フォーラム vol.21 
  –奥野慎太郎氏(ベイン・アンド・カンパニー 日本代表)による講演–
    5月22日(木)19時半より

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今回の青山社中フォーラムでは、グローバルな大手戦略コンサルティングファームの最大手の一つである、ベイン・アンド・カンパニーの日本代表に新しく就任された奥野慎太郎氏に、今後の日本経済の見通し、現在の日本企業のグローバル化における課題と目指すべき方向性を、普段のコンサルティング業務経験から多方面にわたりご講演いただきます。
【日時】5月22日(木)19時30分 ~ 21時00分
【場所】青山社中オフィス(最寄駅:外苑前)港区南青山2-19-3 サザンキャッスルビル2階
【内容】19時00分 受付開始
    19時30分 開会
    19時35分 講演
    20時30分 質疑応答
    21時00分 閉会 
【申込み】こちらのサイトよりお願い致します。 http://peatix.com/event/35980
【参加費】講演会2,500円 (*青山社中後援隊メンバーは1,500円、別途専用割引コードをメールにて送付致します。)
【講演者】奥野 慎太郎氏  ベイン・アンド・カンパニー 日本代表    
京都大学経済学部卒業、マサチューセッツ工科大学スローン経営大学院経営学修士課程(MBA)修了。東海旅客鉄道株式会社(JR東海)を経て、ベインに参画。主に電子部品・テクノロジー、製薬、自動車、消費財、生産財、建設、サービス等幅広い業界において、企業統合、ターンアラウンド、プライベートエクイティ投資先企業の戦略策定を中心に、M&A・提携戦略、成長戦略、営業戦略の策定、コスト削減等、多岐にわたる分野のプロジェクトに従事。

*青山社中後援隊について
青山社中の理念・事業に賛同し、活動を後援頂ける方々による会員組織です。年会費は1万円です。青山社中フォーラムへの割引参加、会員同士の交流会(後援隊の集い)の開催など、各種特典をご用意しております。

後援隊登録はこちらのサイトからできます。http://aoyamashachu.com/supporter/index.html 

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<4> 青山社中リーダー塾 通信

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リーダー塾生有志による活動報告

<地域から国を変える会より>

地域から国を変える会では、栃木県那須塩原市のサポートをさせていただいております。このたび、那須地域(那須塩原市・大田原市・那須町・那珂川町)の自治体職員の皆さんに、NPOメンバーで練り上げた地域活性プランを提案させていただきました。かねてよりご案内しておりますとおり、地元の皆さんと本会で「チーム那須」を結成、これまで那須塩原市役所にこれまで提案を行い、今回もチーム那須のワークショップで出されたアイデアを披露いたしました。今後は那須地域が一つにまとまり、課題を解決していこうという「広域」の視点も取り入れていきたいと思います。なお、この4市町は、那須地域定住自立圏として、昨年12月には那須塩原市が中心市宣言を行うなど、連携が今後より一層進んでいくものと期待しています。
詳しくは、地域から国を変える会facebookへ→https://www.facebook.com/chiikikara.org

<日本と世界をつなぐ会より>

一般社団法人として4月1日に登記手続きを完了致しました当会(代表理事:朝比奈)は、事務局メンバーの山田、水野、高原(リーダー塾生)を中心に活動を始めました。モノ・コンテンツ・インバウンドの3チームで構成され、日本の魅力溢れる技術、製品及びサービス等を海外へ展開し、また、日本の観光資源や地域産業について発信することで、人や投資を海外から呼び込む活動に取り組んでおります。特に、新潟県三条市においては、NPO法人「地域から国を変える会」と連携し、脈々と受け継がれるこだわりの職人魂に裏打ちされた世界に誇れる鍛冶製品を広く世界へ発信する活動に取り組み始めました。また、今後このような日本特有の伝統製品を、同じく日本文化の代表である漫画やアニメを使った効果的表現や共感を呼ぶストーリー仕立てのコンテンツにより、広く世界へ発信していくことにも挑戦したいと思っています。日本の各地域の人や産業が海外と繋がり、日本全体の産業の活性化と日本の魅力の世界への発信を目指す活動を広げて参ります。 

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<5> 青山社中のメディア掲載・講演等のお知らせ

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<4月の実績>

【講演】
4月10日(木)自民党横浜市議団勉強会にて講演(遠藤)

4月18日(金)那須塩原市、黒磯駅前及び周辺地域活性化懇談会に座長として出席(朝比奈) 

4月24日(木)エコノミスト誌が主催する”The Global Executive Programme”にて、intrapreneurship(組織内変革)についてのパネルセッションに参加(朝比奈)

<5月の予定>

【メディア】

5月11日(日)「嶌信彦のエネルギッシュ・トーク」(TBSラジオ 23:00 ~ 23:30放送)で対談内容を放送(朝比奈)

【講演】

5月8日(木)三条商工会議所にて地域の現状および活性化策について講演

5月9日(金)川崎商工会議所にて中小企業育成条例について講演

5月10日(土)ビヨンドトゥモロー スプリングプログラム「災害リスク管理における官民連携のあり方」にて、「民間主導の政策決定プロセス」について講演(朝比奈)

5月12日(月)衆議院議員上野ひろし政経懇話会にて、「日本を元気にする“やりすぎる力”」について講演(朝比奈)

5月15日(木)埼玉県東部公立小中学校事務職全員研修会にて、「これからの公務員に求められるもの」について講演(朝比奈)

5月17日(土)第4回「いい会社の力」シンポジウム(「NPO法人いい会社をふやしましょう」主催)にて、「魂に火をつける教育=真のリーダーシップ論=」について講演(朝比奈)

5月30日(金)みずほ証券の主催する機関投資家やアナリストを対象とした研修にて、「霞ヶ関改革、今後の課題」について講演(朝比奈)

5月30日(金)MIT卒業生会主催のパネルディスカッションへ参加(朝比奈)

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